こんにちは、クレイジースタディ編集部です。
クレイジースタディはこれまでに100本以上のおもしろ記事を配信してきました。
その経験をもとに今回は、多くの人に楽しんでもらえる「おもしろ記事」の企画づくりについて、5つの原則をご紹介します。
(※これらはクレイジースタディの記事掲載基準でもあるため、ライター志願を考えている方はぜひご一読ください)
目次
原則1. 何かしらのおもしろ企画が行われている
当然ではありますが、おもしろ記事は「何かしらのおもしろいことが行われている記事」です。
ただし、おもしろの定義は人それぞれです。
あたまを空っぽにしてテキーラ煽りながらガハハと読める記事(funny)をおもしろいと感じる人もいれば、知識欲が満たされるような役に立つ記事(interesting)をおもしろいと感じる人もいます。
書く人、読む人の数だけ、おもしろは存在します。
大切なのは、筆者が見て、読者が見て、何かしらの視点で「おもしろい」と思えるかどうか。
おもしろいと思える記事が、おもしろ記事です。

▲『味の素が好きだからハンバーグに1kg入れたんです!!!』funny系記事。何も考えず、あたまを空っぽにして読んでほしい

▲『お前はまだ本当のマツケンを知らない 〜マツケンシリーズの魅力を松平健ガチ勢が全力で説明する〜』interesting系記事かな。ガチ勢が語るすきなものって、おもしろいよね
原則2. 多くの人が楽しめる内容である
業界誌など、読者が限定されている媒体ならば話は別ですが、おもしろ記事は多くの場合「SNSでの拡散」など、ソーシャルで話題になるキャッチーなものが求められます。
SNSでの拡散を意識するなら、多くの人が楽しめるものが望ましいです。
- あるあるネタ
- 懐かしネタ
- 衣食住ネタ(とくにグルメ)
- 日常でよく触れるもの
などは鉄板ネタとしておすすめ。
ただし矛盾するようですが、「大勢の人に読んでもらいたい!」ではなく、「友だちのXXさんに読んでもらいたい!」と身近な読者を考えながら書いたほうが、結果的に多くの人にとっておもしろい記事が作れます。
単にテーマの窓口が広ければ良いというわけではありません。
ニッチなテーマでも、多くの人が楽しめる切り口ならOKです。「こんなものがあるんだ!」「へぇー、知らなかった!」など、紹介のしかたを工夫すればニッチでも伝わるものはあります。
一方で、内輪ノリや極端にローカルなネタなど、一部の人にしか伝わらないものはNGと考えています。

▲『読書感想文「あらすじだけ読んで書く」vs「ちゃんと本を読んで書く」どっちが早いか比べてみた』夏休みの宿題あるあるという、“あるある × 懐かし” 企画

▲『性研究家の本屋『ロマン堂書店』に行ったら昭和の貴重なエロ本だらけだった』広島のローカルかつニッチな本屋なのだが、「性研究家」「昭和のエロ本」という気になるテーマが多くの読者を引きつけた
原則3. ライター本人が楽しめる内容である
大前提ではありますが、書くテーマはライター本人が楽しめるものにしましょう。ライターが楽しんで書いてるかどうかは、読者に伝わります。
書いてる本人が楽しめない記事は、誰が読んでも楽しめません。自分自身が本気で楽しめるテーマを設定しましょう。
ポイントは、「自分自身の体験を加えられるか」「自分ならではの独自視点を加えられるか」です。
たとえば、セブンイレブンのおにぎりを毎日1つ以上、1年間食べ続けてる人が書いた「おすすめのセブンおにぎり」という記事があったら、読みたくなりますよね。ライター本人もセブンおにぎりについて詳しく、言いたいこともたくさんあるはずなので、楽しく書けるはずです。
なお、記事を書いている途中でふと我に返って、ついネガティブな感想を書いてしまうこともありますが、おもしろ記事で「くだらないことをしてしまった」などと書くと、読者ははしごを外されたような気持ちになります。
最後まで突っ走って、楽しんで書くことも大切です。

▲『おなじ食べものを両手で持つとあたまがわるそう』このアイキャッチだけでも十二分に伝わると思うが、全編とおしてライター自身がとてもいい表情をしている。楽しんで実行したからこそだろう
原則4. その記事を書く理由がある
「読む人が納得できる、取り組む理由があるテーマ」を選びましょう。
ちょっとややこしいので、具体例を出して説明しますね。
たとえば「チャリで100km先の温泉にいってみた!」という企画を考えたとします。
しかし、ただチャリをこいで遠くの温泉に行くだけの記事は、なぜそれをやるのか理由がなく、読者の共感が得られません。
理由がない → 納得感がない → 共感ができないからです。
「うるせぇ!俺はこのネタがやりたいんだ!」という衝動も大事ですが、読者を置いてけぼりにしてしまう恐れもあります。「私たちは何を見せられてるんだ?」とポカンとしてしまうかもしれません……。(めちゃめちゃな熱意を伝えられれば例外はあります)
では上記のテーマにすこし手を加えて、「 “疲れた時に入る温泉 = 最高” を証明するために100km走った!」という企画ならどうでしょう?
疲れた時に入る温泉って、気持ちいいですよね? ならば、めちゃめちゃ疲れた時に入る温泉は、天にものぼるような気持ちになるのでは?
なかなか無理やりなこじつけではありますが……なんとなく納得できそうな理由をつけると、読者は共感しやすくなります。

▲『「めっちゃ疲れた状態で入る温泉=最高」を証明する 〜116km先の温泉へチャリで行こうとはした〜』上記の記事は実在し、かつデイリーポータルZ新人賞2017にて佳作をいただく結果となりました。ありがたや……
原則5. 誰かを傷つける内容ではない
誰かを傷つける記事は、ぶっちゃけ伸びます。
誰かを傷つける記事には批判が生まれ、それがSNS等での言及となり拡散されやすいのです。悪意は拡散されます。
しかしそれは、ある種の炎上商法であり、ダメージはいずれ自分に返ってきます。
誰かを傷つける記事は、読んでいて明るい気持ちになりませんよね。おもしろメディアの編集部として、これを「おもしろい」と言うわけにはいきません。
なおここで注意したいのが、「無意識に人を傷つけてしまうことがある」という点です。
たとえば「宗教勧誘を撃退してみた!」みたいなネタは、一見おもしろそうかもしれませんが、絶対にやめましょう。
それで生計を立ててたり、信念を持ってやっている人がいる以上、茶化すべきではありません。

▲『創価学会の噂について会員に直接聞いてみた。悪質な勧誘ってマジであるの?』かなりセンシティブなテーマなので、慎重に、フラットな視点でのぞむ必要がある。(※筆者は創価学会とはなんの関係もありません)
まとめ
【おもしろ記事 五原則】
- 何かしらのおもしろ企画が行われている
➡︎ おもしろは funny から interesting まで幅広く存在する- 多くの人が楽しめる内容である
➡︎ ニッチなテーマでも、多くの人が楽しめるものならOK。内輪ノリや極端にローカルなネタなど、一部の人にしか伝わらないものはNG- ライター本人が楽しめる内容である
➡︎ 書いてる本人が楽しめない記事は、誰が読んでも楽しめない。まずは自分自身が本気で楽しもう- その記事を書く理由がある
➡︎ 読む人が理解できる、そのネタに取り組む理由がある。理由のないネタはNG- 誰かを傷つける内容ではない
➡︎ 誹謗中傷を含むような企画は、明るい気分にならない
最後にはなりますが、この五原則は「絶対」ではありません。
ただ、これらを意識して記事制作を行えば、間違った方向には行かないんじゃないかな、と考えています。
おもしろい記事をつくるときの、参考になれば幸いです。
ライターになりたい人、ライターとして悩んでる人、ライターとしてステップアップしたい人に、そっと寄り添う記事をお届けします。
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