【解答】メディアによる。
はい、解散解散〜! 今日はみんな早めに寝よ〜!
その作家性は、誰のためのものか
ここで記事を終わりにしようと思ったが、そうは問屋が卸さない。まじめに書きますね。
そもそも「作家性ってなんやねん!」って話もあるけど、ここでは「その作り手らしさ/個性」くらいの定義にしておこう。語り出すと果てしない深淵をのぞくことになるし、深淵もまたこちらをのぞいているのだ。ギロォ……。
で、作家性が必要かどうかだけど、ボクが大切に思うのは「作家性によってメディアの目的が達成できるか?」だ。少しわかりにくいので、例をいくつか出しますね。
- 【記事を載せるメディア】
自分のブログ- 【メディアの目標】
自分の自己表現これなら、作家性は必要かも。自己表現のためのブログだしね。自分の個性はガンガン出していこうぜ!
- 【記事を載せるメディア】
SEO重視のEコマースサイト- 【メディアの目標】
売り上げUPこの場合、そこに必ずしも作家性は必要ないだろう。もちろん、その作家性が「売り上げUP」に貢献するならあっても良い。
- 【記事を載せるメディア】
人々の心を動かすWebマガジン- 【メディアの目標】
SNSでの拡散/ブランディングこの場合はどうだろうか? メディアの方向性自体は、たぶん、作家性との相性がいい。でも、その作家性が「SNSでの拡散/ブランディング」に役立つかといったら何ともいえない。場合による。
- 【記事を載せるメディア】
誰か一人の心を動かす合同誌- 【メディアの目標】
誰か一人の人生を変えるおや、これは作家性が重要じゃないかな? いやまてまて、あなたの書く記事に、誰か一人の人生を変えるほどの圧倒的な力はある?
……以上のように、メディアの目的を達成できるなら、作家性はあって然るべきだと思うんだ。でもそれができないなら、作家性は抑えたほうがいい場面もある。
そして多くのメディアの目的は、読者に依っている。「読者を満足させ、行動喚起させる」ことが目標だ。
記事の先には、読者がいる。あなたの作家性を求める読者がいるなら、作家性は必要だ。もちろんその「読者」には、自分が含まれることもあるだろう。
作家性 = プレゼン手法
さて、先に「作家性はその作り手らしさ/個性」と述べたが、これをもう少し具体化すると「作家性 = プレゼン手法」と言えるんじゃないかなと。
たとえばボクの大好きなライターにpatoさんという方がいるのだが、小話や出来事を淡々と重ねた、10万字くらいのクソ長い記事をよく書いてらっしゃる。10万字、狂気でしょ。それでも夢中になって読めてしまうからすごい。
また弊メディアの所属ライターに佐藤花太郎くんという方がいるのだが、彼の記事は全編にわたり「花太郎の顔」がGIF動画でイヤというほど主張してくる。かなり読者を選ぶのだが、ハマる人はハマる中毒性がある。
このように、コンテンツをどういう手段で伝えるか、そのプレゼン手法が作家性なのではと思う。コンテンツを楽しく伝えるために、小気味よく10万字書いたり、作者の顔を出しまくるのはひとつの手段だ。
ただ気をつけたいのが……プレゼン手法そのものが目的になってはいけないということだ。自分らしさや個性を重視しすぎて、肝心のコンテンツが霞んでしまうのはもったいない。それは本末転倒だ。
繰り返しになるが、「作家性によってメディアの目的が達成できるか?」がボクは大切だと思っている。作家性はあくまでコンテンツを伝える手段であり、読者が楽しく読むためのスパイスだ。読者目線に立ったプレゼンを心がけたい。
そもそも「ライター」の定義、広すぎません?
さあ、そんな感じで作家性について書いてきたわけだけど、「ライターに作家性が必要かどうか」の前に、「ライター」の定義って、広すぎません? ライターって何よ? 火をつける道具もライターだぞ? ををん??
よく聞くのが、「自分の思いを発信したくてライターになったのに、SEOキーワード並べただけの機械的な記事ばかり書いてる……」みたいな例。いやー、わかる。その気持ちはすごくよくわかるよ。ボクも自分のおもしろを発信したくてライターを目指してたはずなのに、いつのまにかフリーランス向けメディアの編集者になってSEOからSNS戦略までいろいろやってるし。どうしてこうなった……!(楽しいからいいけどね!)
それもこれも、「ライター」の定義が場面によって違いすぎるから問題なんだ。SEO記事を書く人も「ライター」だし、作家性出しまくったコラムを書く人も「ライター」。商品のコピーライティングをする人も「ライター」って呼ばれたりするし、火をつけるのも「ライター」だ。
ライター(Writer)はその名のとおり「ものを書く人」だ。その語義ゆえに、ライターは「書く」というカテゴリーのトップに君臨してしまっている。もうすこし細分化させても良いだろう。もちろん、ある程度は細分化されているのだが。「SEOライター」「コピーライター」「UXライター」「インタビューライター」「カメライター」「翻訳ライター」「テクニカルライター」「ZIPPOライター」みたいに。
ただ、「作家性を出したいライター」というカテゴリーはな……い……いや、ある、あるじゃないか。あるじゃないか!
作家性を出したいなら、「作家」って名乗るのはどうかな
書いてて気づいた。作家性を出したいライター、つまり「作家」と名乗れば良いのでは?? 作家性っていうぐらいなんだし、作家は間違いなくあるよね? 性を取っちゃえ! 作家って名乗ればいいじゃん! そういえば、人気ブロガーのはあちゅうさんは「作家」と名乗ってるよね。「随筆家」とか「エッセイスト」なんかもアリかもね。
すくなくとも、単に「ライター」と名乗るよりは差別化をはかれるかもしれない。自分がどんな文章を書きたいのかで、肩書きを変えるのはひとつの手だ。もちろん「作家」と名乗ることで書ける文章が限られる可能性もあるから、100%正しいとは思わないけど。
ただ、「自分らしさを発信したい、自分の個性をみてほしい、あわよくばそれを仕事にしたい!」と思うなら、作家と名乗るのはアリだ。発信し続けて、自分の心が動いて、そして読者の心も動かせたなら、いつかそれでご飯が食べられるかもしれない。
ところで……
みなさん、作家性をガンガン出して書くステキなおもしろWebメディアがあるってご存知ですか???? おもしろライター登竜門メディア『クレイジースタディ』っていうんですけど!!!!!
な、なんと?!!?! ただいまライターを募集中だとか?!?!?!?! これはみんな応募するしかねぇ!!!! ライター志願フォームにいそげ〜〜〜〜!!!!!!
※この記事は、WEB記事 Advent Calendar用に書いたものです。
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