「なんとなく捨てずにとっといてあるモノ」って何かありますか?
お菓子の空き缶、お店で貰った手提げ袋、町内会のお祭りのうちわ、週刊少年ジャンプ付録の遊戯王カード……。「いつか使えるだろう」と思って保管しておく人は多いでしょうが、意外と使う機会ってないんですよね。
ボクも、捨てられずに溜め込んでいるものがあります。
書店でもらった紙のブックカバーです。かれこれ9年くらい溜め込んでると思います。
今回は、これまでに蒐集した紙ブックカバーたちを振り返ってみたいと思います。
各社 紙ブックカバー 一覧
TSUTAYA
国内最大手の書店『TSUTAYA』のブックカバー。
非常にシンプルなワンポイントデザイン。万人受けするスタイルですね。
折り返しに広告類が織り込まれています。このスタイルを採用するブックカバーは比較的多く、今回は約70%がこれに該当しました。
こちらは別バージョンのTSUTAYAブックカバー。
ストライプ柄でやんちゃしてますね。
紀伊国屋
創業90年の老舗書店『紀伊国屋』のブックカバー。
横ラインに書店ロゴのシンプルめなデザイン。本の背表紙部分を横断しているデザインは割と珍しいです。
本を開いたときだけ全貌が明らかになる紀伊國屋ロゴ。いとをかし。
芳林堂書店
株式会社書泉が運営している『芳林堂書店』のブックカバー。
縦横に数本のラインを巡らせたデザイン。「HR」のロゴマークが静かに主張します。
ジュンク堂書店
社名の由来が「工藤淳(当時の社長の父親の名前)」でお馴染みの『ジュンク堂』のブックカバー。
モードなロゴが目を引くデザイン。デカめワンポイントは比較的上級者向けの着こなしだと思います。
さすがは本屋界のオシャレ番長・ジュンク堂といったところですかね。(※勝手にそう呼んでいます)
成文堂書店
学術書専門の出版社でもある『成文堂書店』のブックカバー。
ラインとイラストをシンプルに取り入れたデザイン。正義の女神“ユスティティア”が中央に鎮座しています。
成文堂は学術書の出版社でもありますので、学問の“正義”を見守ってるのかもしれませんね。
オリオン書房
東京都立川市を中心に展開する『オリオン書房』のブックカバー。
2柱のオリオンと縦横ライン、ロゴを取り入れたデザイン。オリオンの高貴なイラストが目を引きます。
Family Book
ゲームやDVDレンタルショップとして知られる「GEO」が運営する、『Family Book』のブックカバー。
ロゴマークにディレイ効果をかけたようなデザイン。なかなか攻めてますね。全体が緑がかっております。
このブックカバーは折り返しが糊付けされており、カバーが本から外れにくい親切設計となっております。
ここは個人的にかなりプラス点ですね。
こちらは別バージョンのもの。主張強めな総柄デザイン。
なお、こちらのバージョンは残念ながら折り返しが糊付けされておりません。
LIBRO
パルコに多く出店している『LIBRO』のブックカバー。
総柄ロゴのデザイン。それでいて主張は強すぎず、どんな本でも着こなせる懐の広さを持っています。
上下逆さに装着しても問題ないリバーシブル(?)スタイルです。
ちなみに同名のヒップホップアーティストとは何の関係もありません。
ブックファースト
大阪に本社を置く『ブックファースト』のブックカバー。
大小様々なロゴを無造作に配置したデザイン。
元・阪急グループ傘下の書店であるためか、大阪らしい主張の強さが見受けられます。
こちらは総柄タイプのデザイン。先述のものより主張は控えめですね。
そういえば青い紙地は割と珍しい気がします。
東武ブックス
東武グループ傘下の書店『東武ブックス』のブックカバー。
エジプトっぽいイラストと、東京スカイツリーのイラストをドーンと構えたデザイン。なんだその組み合わせは。
東京スカイツリーは東武グループが事業主体ですから、まだ理解できますが……。エジプト???
ちなみにダブル・エジプシャンスタイルもあります。
誰か東武ブックスとエジプトの関係を教えてくれ。
いまじん
書店や喫茶店を運営する『いまじん』のブックカバー。
ウサギと鳥(?)が主張するキャッチーなデザイン。その陰影に富んだデザインには、何か惹かれるものがあります。
残念ながら2015年11月より、TSUTAYAに全店フランチャイズ加盟したため(Wikipedia参照)、もうこのブックカバーは見られないと思います。レア・ブックカバーです。
あゆみBOOKS
コーヒーチェーン「カフェ・ベローチェ」を手がける、株式会社シャノアールが運営する『あゆみBOOKS』のブックカバー。
アーティスティックなイラストが大きく描かれたデザイン。ブックカバーも数種類あるようで、オシャレで個性的なものが多いです。コーヒーチェーンが関連会社にいるからでしょうか……?(カフェ=オシャレという認識)
個人的には一番好きなブックカバーです。
ちなみにこのブックカバー、あゆみBOOKSの公式サイトで紹介されています。
公式サイトによると、イラストは永井一正氏、デザインは原研哉氏が手がけているそうです。2007年に書皮友好協会が主催する「第24回 書皮大賞」にて、大賞を受賞したのことです。
マジですごいブックカバーだった。てか書皮友好協会なんてあるのか。
改造社書店
創業99年の老舗『改造社書店』のブックカバー。
総柄を通り越した、重厚かつ前衛的なデザイン。波のような模様がうごめいて見えますね。
約100年の歴史がブックカバーに現れている気がします。
マトリクス図で見る各社デザインの特徴
さて、ここまで様々な紙ブックカバーを眺めてきましたが、最後に各社デザインの特徴をマトリクス図上に表してみました。
上の図が紙ブックカバーのデザインに関するマトリクス図です。こうして見ると、書店によってかなりデザインに差があることが分かりますね。
比較的、有名で大規模な書店はシンプルなデザインの傾向が見られますね。
特に国内最大手のTSUTAYAなんかは、最もシンプルかつ無駄のないワンポイントのデザインを一つ採用していますね。大手ゆえに、万人ウケする簡素なデザインにしたのでしょう。
一方、改造社書店やあゆみBOOKSなどは非常に趣向の凝らされた独自路線のデザインであり、実際の書店でも独特の品揃えが見受けられます。特に改造社書店、は洋書や専門誌など知識層が好む書籍が多数揃えられている気がします。
このように見てみると、書店で貰える紙のブックカバーは、書店そのもののスタイルを表していると言えるかもしれませんね。皆さんも本に紙のブックカバーをつけてもらう際は、本の中身だけでなく、その書店にも想いを寄せてみてください!
また、よろしければTwitterにて「#紙ブックカバーコレクション」のタグと共に、あなたのお気に入りの紙ブックカバーの写真を教えてください!
いっぱい投稿が集まれば、第二弾の記事を書くかもしれません!
ちなみに書店じゃない方のLIBROもマジかっこいいので、皆さんぜひ聴いてみてください。
(執筆:じきるう)