技術をもたない人たちがなんとかロボットらしきものを作り、それを押し相撲形式で戦わせるイベントをご存知だろうか。
技術力の低い人限定ロボコン(通称:ヘボコン)である。
なんとこの大会に、筆者は過去6回も出ている。ヘボコンはロボットの出来や勝敗よりも、「おもしろさ」「くだらなさ」「ヘボさ」が評価されるのだが、ロボットを作りたくても作れない、しかし笑いをとって承認欲求を得たい筆者にはちょうどいい大会なのだ。
今回は筆者の作ったロボット(ロボット?)と、当日とくに盛り上がった試合をいくつか紹介していく。
ロボット?を作ろう
早速ロボットを作っていこう。
ヘボコンにおいて大事なのは、要件定義 / プロジェクトチーム編成 / 設計図作成……などではなく、とにかく「材料あつめ」だ。
ロボットを作るにしても、材料がないとなにもできない。逆にいうと、ヘボコンでは「材料」さえあればあとはどうにかなる。
さっそく制作にとりかかろう。
なんかいろいろやってたら完成したものがこちら。名を『長男乃風』という。
某有名アーティストからインスパイアを受けた、レゲエみのある風属性ロボットである。
頭の上についたタオルをぶんぶん振り回し、相手に“風圧攻撃”を仕掛けるのが特徴だ。
なお、モーターをミニ四駆などに使われるハイパーダッシュモーターに換装し、ものすごいスピードで高速回転する予定だったのだが……
ギア比を間違えたのか、ものすごく遅い。タオルを回すどころか、巻き取る程度しかできていない。
これでは風圧攻撃はおろか、タオルがモーターに絡まって自滅する未来が見える。
仕方がないので、人間が後ろでタオルを振り回すことで風を起こし、ロボットに推進力を与えることにした。レイブ感満載で、じつにレゲエであろう。
また、今回のヘボコンのために完全オリジナルソングを生成AIに作ってもらった。10年前には考えられなかった、極めてハイテクノロジーな実装である。これもロボットに組み入れよう。
「ヘボくないのでは?」「技術力あるじゃないか!」と突っ込まれそうなので弁明しておくが、Suno AIというアプリに指示して数分で作ってもらったものなので、とくに技術はない。
AIを使いこなすより、ちゃんと動くモーターを組み上げるほうがよっぽど大変である。
……なお、「ロボットの動力はどこにあるのか?」という質問が予想されるが、シンプルに買い忘れたので今回は未実装である。さきほどのタオルによる風が、唯一の推進力だ。
ロボットに動力が必要というのは、まだまだ既成概念に囚われている証拠である。イノベーションを起こしていこう。
袋に入れたらなんだか猟奇的になった。会場に着くまでに職質されないか心配である。
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