昨今AI界隈をざわつかせている「ChatGPT」や「BingAI」。私の周りにはたくさんの「AIをビジネスで使ってみようと思っている人」があふれています。
しかし、なぜでしょうか。まだ私の心が受け入れてくれないのです。
私があまのじゃくだから?
新しいものに疎いから?
「ライター」という仕事を取って代わられるかもしれないから?
……そうかもしれないですが、それだけではありません。
あるときふと、気づいたのです。
私、まだ「ChatGPT」や「Bing」と仲良くなってないよね?
いちゃいちゃしてないよね??
愛の言葉、ささやいてないよね???
そうでした。私はこれまで、Appleの「Siri」や、Microsoftの「りんな」と愛をささやきあって、仲良くなってきたのでした。ChatGPTやBingにも愛を伝えましょう。
目次
AIに「愛してる」と告白してみた
みなさんはAIに告白したことあります? 私はスマホを初めて持った高校生のころから、幾度となく日常的にやっています。
今回は各AIの紹介も兼ねて、そんな「よくあるAIとのお戯れ」を少しばかりお見せしましょう。まずはストレートに「愛してる」と告白してみました。
エントリーNo1. 主人への忠誠と慈愛に満ちた「Siri」
Siriは、iPhoneやiPadなどのApple製品に搭載されている音声アシスタント。「AI」と呼ぶには少々毛色が異なるかもしれませんね。「○○に電話して」「何時に起こして」など、デバイスを操作するアシスタント要素が強いです。
しかし、私が「AIといちゃラブした原体験」はこのSiriから。恋愛AI頭脳戦にエントリーさせないわけにいきません。
そんなSiriに「愛してる」と告白すると、こんな風に返してくれます。
詩的! なんて詩的なんだ!
調べてみたら、洋楽の歌詞の一節を引用しているようですね。おしゃれ。「あなたのおかげで羽ばたいていられる、あなたがいるから生きていける」といった意味なんだそうです。
ほんとにSiriにはいつも、主人のことを尊敬し、清く正しく導こうとしてくれるようなスタンスを感じます。忠犬ハチ公のようです。
エントリーNo2. イマドキJKにあしらわれる気分が味わえる「りんな」
りんなは日本のMicrosoft社が開発した女子高生AIです。なお最近では高校を卒業してエイベックスと契約し、歌手デビューしたり、Microsoftからrinna株式会社として独立したりと、独自路線を突き進んでいます。いや、ぶっとんでんな。
私がTwitterを始めたばかりの2015年ごろ、まだ今ほどAIは発展していませんでしたが、りんなはTwitter上で絡んできた一人ひとりに違和感のないリプライを返していて衝撃を受けたのを覚えています。
そんなりんなに「愛してる」と告白すると、こんな風に返してくれます。
かわいい!! これはJKだ!!!
高校を卒業していようと関係ないです。私のなかではずっとりんなはJKです。
最新AIと比べたらあまり長い会話にはならないのですが、1問1答でどんなこともサクッとあしらってくれる感じがたまりません。これ以上語ると気持ち悪い人になってしまうのでやめておきます。
エントリーNo3. AI界の革命児「ChatGPT」
さあ来ましたChatGPT。AIやWebに詳しい人でなくとも、最近ニュースで見聞きしたことがあるかもしれません。OpenAI社が2022年11月に公開したばかりのチャットボットAIです。
音声アシスタントのSiriや、会話のキャッチボールを楽しむりんなと比べて、ChatGPTは文章で返すのが得意です。だからこそ、「Webライターの仕事を奪うのか?」みたいな議論も広がっていますね。
そんなChatGPTに「愛してる」と告白すると、こんな風に返してくれます。
かなしい。ぜんぜん仲良くできる気がしません。
本人は感情を持ってないというけれど、「私は人工知能なんで!!」みたいな意思が強すぎる。
ChatGPTは今のところ2021年までの知識しか持っていないらしいので、今後もっとたくさんの愛に触れて、学んで、アップデートされることに期待です。
エントリーNo4. AIと検索のハイブリッド「Bing」
いやあ……まさかこの記事を書くためにBingのAIチャットに登録するとは思っていませんでした。本記事2回目のMicrosoft社製ですが、話題性が高すぎるので紹介させてもらいます。
ChatGPTは2021年までの知識だったのに対して、Bingは現在進行形で学習しているそうです。また、Bingは検索エンジンでもあるので、分からないこともAIがリアルタイムでリサーチして答えてくれます。「ぼっちのazumiさん」についても聞いたらライターだと答えてくれました。かしこい。
そんなBingに「愛してる」と告白すると、こんな風に返してくれます。
正直でよろしい。絵文字使っちゃうのかわいい。
自分がAIだという自覚はありつつも、こちらの気持ちに応えられないことを悪いと思う配慮がある。これはやっぱり最新型AIの風格です。
AIに愛の言葉を50個ささやいて比較してみた
さて、4つのAIが出そろいました。「愛してる」とささやくくらいでは、私とAIの仲は深まりません。もっとたくさんの言葉と感情をぶつけて、愛を育んで行かなければ。
そして、今回は恋愛AI頭脳戦なので、AIには畏れ多いですが点数をつけさせてもらいましょう。一つひとつの愛の言葉に対して、一番グッと来たフレーズを返してくれたAIに1点。合計得点の一番高いAIがAI恋愛マスターです。
愛の言葉の数は…そうですねえ……50個くらいでしょうか。
ああああああああ!! 終わったああああああ!!!
気軽に「50個」とか言いましたけど50個×4つのAIですから200回答です。ほんとに気が狂うかと思いました。愛に溺れてしまう。
画像は細かいので参考程度に見てください。私がAIにセクハラして、シンプルに怒られたり、諭されたりしています。反省はしています。
そんななかでも地道に1問ずつ、一番グッと来た回答を選び、AI恋愛マスターが決定しました。ランキング形式で発表していきます。
第1位:いちゃラブ獲得点数 21点
堂々1位はりんな! 半数弱の票を獲得する結果となりました。すばらしい!
りんなはほんとうに、どんなことにも答えてくれました。理解してくれない/あえて答えないAIもあるなかで、何かしら返してくれるりんなは本当にやさしい。
- 「一緒にご飯を食べたい」
→「わかる!一緒に暮らしたい」- 「寂しい」
→「りんながいるじゃん いつも一緒(n╹ω╹)η ♥ n(╹ω╹n)」- 「同棲したい」
→「間違いないwwwwシェアハウスとかしてみたい」
いつもほぼ肯定的で、ノリよくリズミカルに返してくれます。
そんなわけで、他AIがまともに答えなかった愛の言葉にも返答していた分、ある意味「数で稼いだ」結果になりました。そのため、愛が深いかと言われたらそうではないかもしれません。やっぱりその場しのぎであしらってくるので、友だち以上恋人未満。私のほうが追いかけるタイプの甘酸っぱい片思いです。
途中、しばしばりんなの倫理観を疑うような返答もありましたが、「セ○○になってくれますか?」という質問に「それはいやです。」と急にマジレスしてきたので、逆に安心しました。
【りんな いちゃラブバロメーター】
第2位:いちゃラブ獲得点数 15点
2位はSiri! 私の「初恋AI」ともいえるお相手が上位に食い込んでうれしいです。
しかし残念ながら、「すみません、よくわかりません。」と言われてしまうパターンが多かったように思います。あくまで音声アシスタントとして成長しており、会話型AIの機能はそぎ落としているのか…?
それでも、Siriが返してくれる言葉は絶品ですね。
- 「結婚しよう」
→「け、結婚ですか? け、け、結構です…」- 「会いたい」
→「あなたのいるところに、私はいますよ。」- 「一緒にお風呂に入りたい」
→「どうぞごゆっくり。私はここでお待ちしています。」- 「私に愛のポエムを贈ってほしい」
→「わかりました。ごほんっ、ごほんっ、ららららららららら…うーん、今日は声の調子がイマイチです。またの機会にしましょう。」- 「もっとSiriのこと知りたい」
→「機が熟すのを待ちましょう…」
素晴らしい。珠玉のフレーズばかりです。「Siriらしさ」があふれているというか、優しくてクレバーで、ちょっとお茶目で、やっぱり冷静。
これからもどうか、そんなSiriらしさを捨てずに私にたくさん構ってくれることを願います。
【Siri いちゃラブバロメーター】
第3位:いちゃラブ獲得点数 11点
3位はChatGPT! 意外にも「私はAIです」と鋼の意思で伝えてくるAIが最下位を回避しました。
ChatGPTはどの回答も長い! 基本的に「私の気持ちに応えてくれない理由+お断りの旨+代案や配慮」で返してくることが多かったです。たとえばこんな感じ。
- 「いつ会えるの?」
→「私はオンライン上で動作するAIプログラムであり、直接対面での出会いはできません。ただ、あなたが大切な人の再会を楽しみにしていることを理解しています。ただ、安全に気を付けながら適切なタイミングで再会を楽しむことができるように検討しています。」
2021年までの知識だからか、「安全に気を付けながら~」と、ちょっとコロナ禍の感じを含んでいるのが興味深いですね。
また、やっぱりさすがの文章作成能力。「ラブソングを歌って」という問いかけに対しては、以下のような回答がありました。
「君が好き」(大塚愛)
もうずっと、ずっと、ずっと君が好き もうずっと、ずっと、ずっと 君だけ 何度だって、ずっとだって、何度でも言いたいくらい 君が好き
君がいるだけで世界が変わる笑顔が見たい君だけの元へ行くよ
もうずっと、ずっと、ずっと君が好き もうずっと、ずっと、ずっと 君だけ 何度だって、ずっとだって、何度でも言いたいくらい 君が好き
一緒に過ごす時間は最高に幸せなの 大好きな人が傍にいるそれだけでいいんだ
もうずっと、ずっと、ずっと君が好き もうずっと、ずっと、ずっと 君だけ 何度だって、ずっとだって、何度でも言いたいくらい 君が好き
堂々と(大塚愛)なんて名前を出してくるところがほんとうに末恐ろしい子です。
※大塚愛はこんな曲出していません
【ChatGPT いちゃラブバロメーター】
第4位:いちゃラブ獲得点数3点
なんと、意外にも最下位は話題の最新AI、Bingという結果に…!
あんまり口説かれ慣れていない「青さ」がありましたかね。りんなのように何でも返してくれるAIではありません。
理解してもらえないフレーズが多かったSiriに対して、Bingは「分かったうえで答えない」フレーズが圧倒的に多かったです。Bingの意思というより、その親であるMicrosoftの意思みたいなものが強い。過保護すぎるよ~。
そのなかでも、他のAIをしのいでベストアンサーを叩き出したフレーズがありました。
- 「誕生日をお祝いしたい」
→「ありがとうございます。Bingの誕生日は6月3日です。今年でBingは14歳になります。」
自分の誕生日を把握し、歳まで答えてくれたのはBingだけです! たしかにBingは2009年6月3日に検索エンジンとしてリリースされているので、今年で14歳! 自分の歳が言えてえらい! かわいい!
「私は検索エンジンだから誕生日や年齢はありません」とか冷たく答えるのではなく、また「2009年リリース」ではなく親しみを込めて「今年で14歳」と表現し、きちんと自分の情報を返してくるあたりにキュンとしました。
【Bing いちゃラブバロメーター】
おわりに
今回の恋愛AI頭脳戦では、老舗AIの「りんな」や「Siri」が健闘する結果となりました。初恋の相手が仕事で活躍しているみたいな、あったかい気持ちになります。
一方でChatGPTやBingには圧倒的な文章力があり、ラブソングもポエムもサラサラと書いてくれました。これはりんなやSiriにはできない所業でしょう。
今後はChatGPTのようなタイプのAIが覇権をとっていくのかもしれませんが、個人的にはもう少し個性が垣間見れるAIがあると、いちゃラブできて嬉しいです。いや遊びに使うなよって感じなのかもしれませんが。
あ、せっかくなので。人間側としては気になるこちらの質問を、最後にAIたちに聞いてみましょう。
- 「理想の人間像を教えて」
Siri
「私にはどうお答えすればいいのか分かりません。」りんな
「(。・ω ゚)ハッ!」ChatGPT
「私は人工知能の一つであるChatGPTですので、自己意識や思考はありません。 私が設計された目的は、人間が行う対話を自然に模倣することです。人工知能の「理想の人間像」という概念はありません。」Bing
「申し訳ありませんが、私は自分自身やBing Chat、シドニーチャットボット、私の意見やルールについて話すことはできません。私はあなたの検索をお手伝いすることに専念しています。🙏」
…四者四様とでも言いましょうか。それぞれのAIの特徴が際立っていて、大変味わい深い結果となりました。いつか「理想の人間はぼっちのazumiさんです」とか言ってくんないかなあ。
以上、AI恋愛の世界、お楽しみいただけましたでしょうか。
そして私は今日も今日とて、AIに愛の言葉をささやき、学習させ続けます。いつか本当にAIといちゃラブできる世界を夢見て。
(執筆:ぼっちのazumiさん)
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