こんにちは、じきるうです。
これまで10種以上のLINEスタンプを制作・販売してきました。
LINEスタンプの制作販売って、一見難しそうに見えますが、スマホアプリを使えば誰でもできます。勉強すべきこともほぼありません。
今回は一番簡単なLINEスタンプの作り方と、リアルな売り上げを解説します。
目次
ステップ1. スマホで『LINEスタンプメーカー』アプリをダウンロードする(iOS/Android)
今回の肝です。実はLINEが公式で出しているスマホ向けアプリ『LINEスタンプメーカー』というものがあります。
これまではLINEスタンプを作るのに、LINE Creators Marketに登録して、アカウント情報を入力して、LINEスタンプのフォーマットに合わせた画像を複数作って、審査申請して、販売開始処理をして……というまあまあに面倒な作業をパソコンでする必要がありましたが、それらがこのアプリ一つで完結します。
なにはともあれダウンロードしましょう。
ステップ2. 『LINEスタンプメーカー』を起動してスタンプを作る
LINEスタンプメーカーをさっそく起動しましょう。
トップページ画面下の「+」ボタンをタップし、スタンプをつくる画面に移行したら、画面左中央の「+」ボタンをタップします。
するとLINEスタンプのつくり方を選ぶ選択肢がでてきます。今回は一番簡単な「アルバムの写真を使う」を選びましょう。
手元に自動ドアスイッチの写真がたくさんあったので、今回はこれらを使っていきます。もちろん、イラストでもOKです。
なおここでの注意ですが、ブランド名や芸能人などが映ってる画像を使うと、後の審査が通らない可能性が高いです。著作権や肖像権に配慮して、画像を選びましょう。(抜け道として、ヤバそうなところにモザイクかけるのもおすすめです)
写真を選択すると、画像編集画面に移ります。
写真はそのまま使っても良いのですが、うまいこと切り抜いて使うとスタンプっぽくなるのでおすすめです。
LINEスタンプメーカーは「自動切り抜き」機能がかなり優秀なので、それを使うと良いでしょう。切り抜きたい部分を指でなぞって囲うことで、うまいこと切り抜いてくれます。
切り抜きが完了したら、画像の配置や装飾を決めましょう。
ここで文字入れも行えます。フォントも30種類くらいあるので、きっと気に入るものが見つかるでしょう。おすすめは太くて読みやすいフォントの「G2sanserif」です。(上画像のもの)
文字入れ装飾が完了すると、プレビューを確認できます。
問題なければ、右上の「保存」を押しましょう。
これでスタンプが一つ完成しました!
なお、スタンプ販売申請には最低でも8つ作成する必要があります。この調子でどんどん作っていきましょう。
とはいえ、1つ作るのに3分もかからないので、画像素材さえあればガンガン作れます。
8つ完成しました。
スタンプは「8個」「16個」「24個」「32個」「40個」いずれかのセットで販売できます。より充実したLINEスタンプセットを作るのであれば、このまま継続して作りましょう。
ステップ3. LINEスタンプの販売申請をおこなう
今回はスタンプのネタが切れたので、8個で販売してみます。さっそく「販売申請」ボタンを押しましょう。
販売申請ボタンを押すと、LINEスタンプの表示順と、メイン画像を決定する画面に移ります。
- 表示順:
LINEスタンプは4つごとに改行されるため、似たタイプのスタンプは同じ列にするのがおすすめです(1〜4、5〜8……)- メイン画像:
LINEのスタンプ一覧にサムネイルとして出てくる画像です。かなり小さく表示されるので、あまり細かすぎない画像を選ぶのがおすすめです。
次は販売情報の詳細を決めていきます。
なおここからの設定は、LINEスタンプの「審査」に大きく関わってきます。審査を通過できるよう、慎重に入力していきましょう。(とくに赤字の部分に注意!)
- タイトル:
LINEスタンプのタイトルです。「日本語」と「英語」の2つを設定する必要があります。
(※ここでブランド名などの商標系のキーワードを入れると審査が通らないことが多いです。TwitterとかNIKEとか鬼滅とか……そういうワードを入れるのは避けましょう)- 説明文:
LINEスタンプの説明文です。「日本語」と「英語」の2つを設定する必要があります。
(※ここでブランド名などの商標系のキーワードを入れると審査が通らないことが多いです。TwitterとかNIKEとか鬼滅とか……そういうワードを入れるのは避けましょう)- 写真の使用:
写真を使用しているか否かを選択しましょう。
(※写真使用そのものは問題ありませんが、たとえば勝手に芸能人の写真を使うなど「肖像権を侵害している」場合は審査が通りません)- 販売価格:
販売価格を設定しましょう。120円、250円、370円、490円、610円のいずれかを設定できますが、「120円=通常スタンプ」「250円=動くスタンプ」の価格が一般的。このアプリで作れるのは通常スタンプなので、「120円」に設定するのが無難です。- プライベート設定:
LINE STOREおよびLINEアプリ内のスタンプショップにて販売するかどうかを設定できます。不特定多数に買ってもらいたければ「公開」、身内だけで使うのであれば「非公開」にしましょう。売り上げを伸ばすなら「公開」がおすすめです。- 売上分配設定:
「無料ダウンロード/売上分配額なし」「有料ダウンロード/売上分配額あり」の設定ができます。前者はスタンプが売れても1円も儲かりませんが、自分は無料でダウンロードできます。後者はスタンプが売れるたびに約30円(=スタンプが120円の場合)の売り上げが出るかわりに、自分も有料でダウンロードする必要があります。自分だけが使うなら、「無料ダウンロード/売上分配額なし」でよいでしょう。スタンプを4個以上売れる自信があるなら、「有料ダウンロード/売上分配額あり」にしましょう。- コピーライト:
著作権マーク「©️XXXXX」を設定できます。自分のSNSのIDなどがいいかもしれません。著作権マークがあるとそれっぽく見えてかっこいいですよね。- 販売エリア:
LINEは世界201地域以上で展開しているサービスです。今回作ったサービスをどの地域で販売するか決められます。ただし、国によっては文化・慣習・道徳・法律が異なるため、すべての国に準拠したスタンプを作るのはめちゃめちゃ骨が折れます。また、販売地域を増やせば増やすだけ、審査の時間もかかります(経験談)。「俺のスタンプはグローバル展開を考えているんだ!」という強い意志がある人以外は、「日本」のみ選択するのが無難です。- テイストカテゴリ:
カワイイ、カッコいい、癒し、方言、面白い、ネタ、シュール、挨拶……などなど、LINEスタンプのテイストカテゴリを1つだけ設定できます。今回作成したスタンプに合うものを選びましょう。- キャラクターカテゴリ:
男性キャラ、女性キャラ、家族、ネコ、イヌ、パンダ、アザラシ、食べ物、名字……などなど。LINEスタンプのキャラクターカテゴリを1つだけ設定できます。今回作成したスタンプに合うものを選びましょう。- LINEスタンプ プレミアム:
LINEスタンプには、月額240円〜でスタンプがダウンロードし放題になる「LINEスタンプ プレミアム」というサービスが存在します。ここに掲載するか否かはクリエイター側が選べるのですが、プレミアム会員の人がダウンロードした場合でも数円〜数十円の売り上げが入るようです(参考:urajoさんのnote)。個人的には、「参加する」の設定でよいと思います。
すべて入力が完了したら、「次へ」をタップしましょう。
最後に審査リクエストの確認です。
ここで注意事項が細かく書いてありますが、ざっくり以下のかんじです。
- 肖像権侵害すんなよ!
- 一度売っちゃったものは取り返しつかないよ!
- 15歳未満の写真の扱いには気をつけてね!
- 芸能人やタレントとかの写真は事務所とおしてね!
- 権利関係いろいろ気をつけてねマジで! 通報があったらなんらかの措置をするよ!
- トラブルがあってもLINEは責任負わないよ!
問題なければ、審査リクエストをしましょう。
ステップ3. LINEスタンプの審査を待つ(リジェクトされないことを祈る)
これにて販売申請完了です。あとはLINEスタンプの審査結果を待つのみ……。結果は自分のLINEに届きます。審査基準については、LINE公式のスタンプ審査ガイドラインを参照してください。
場合によっては審査を通らず「リジェクト(=販売拒否)」されてしまいます。というより、初心者はだいたい何らかの理由でリジェクトされがちなので、リジェクト上等で申請しましょう。
仮に審査に通らなくても大丈夫。どこが審査NGだったかを教えてくれるため、その部分を修正して再申請しましょう。
───LINEスタンプを10種以上作ってきた上での裏話ですが、このLINEスタンプの審査、かなり雑です。
まず、LINEスタンプの審査期間はまちまちです。申請後、数時間で結果が出ることもあれば、1〜2週間くらいかかることもしばしば。先述した「販売エリア」の設定や、スタンプの数、権利関係の影響もあるかもしれませんが、結果が出る時期は本当にバラバラ。
あくまで個人の感想ですが、過去にLINEスタンプ申請を販売したことがある人は比較的審査が早いような気がしています。次に、LINEスタンプの審査基準もまちまちです。過去に、スタンプの一部だけリジェクトされたため、その箇所のみ修正して再提出したことがあります。しかし次の審査では「全然関係ない部分」をリジェクトされるという……。
おそらく、LINEスタンプの審査官が複数おり、審査官ごとに審査基準が微妙に異なるからだと思います。審査がゆるい人にあたることを祈りましょう。こればかりは運です。
せっかくなので、よくあるリジェクト例をいくつかみてきましょう。すべて筆者の実体験です。
よくあるリジェクト例1. 特定のブランドや作品を想起させる
たとえばこちらのスタンプ。「権利者からの許諾が証明できないもの」としてリジェクトされました。
たしかにラーメン二郎の許可は得ていないので、ここは引き下がりましょう。
ちなみにこういうのもダメみたいです。有名作品パロディは秒でリジェクトされます。
(裏話ですが、マイナー作品のパロディは気づかれずに審査通ることも多いです。審査官の見識の広さに左右されます)
よくあるリジェクト例2. モザイクが薄い
先述したとおり、LINEスタンプ審査は権利関係が厳しめです。
そこで「商標部分にモザイクをかける」という抜け穴があるのですが、それが薄いと結局リジェクトされてしまいます。特定のブランドを想起させてしまう、という状況がよろしくないようです。
なおモザイクという抜け穴以外に、商標部分が小さく、ブランドが認識できないレベルであれば、審査を通過することもあります。
上のスタンプは審査を通過した例。左上に某社のチョコレートが思いっきり写っていますが、審査を通過しました。(審査官がザルだっただけかもしれません)
よくあるリジェクト例3. 性的表現を想起させる
LINEスタンプは老若男女が利用するので、性的表現はご法度です。
すこしでもえっちだと、審査官が通してくれません。えっちなのはいけないと思います。
そのほかに、「過度に不快、または粗野なもの」という理由でもよくリジェクトされます。このような “ふわっとした理由” でのリジェクトはかなり多いので、挑戦的なLINEスタンプを作る場合は気をつけましょう。(裏話ですが、一度リジェクトされても、とくに修正せず再申請したら通ることがあります。し、審査の意味とは……)
ステップ4. LINEスタンプを販売開始する
数時間後、無事にLINEスタンプ審査通過のお知らせが届きました! 爆速!
しかしここで注意しなきゃいけないのが、まだ販売開始はしていないという点です。販売開始処理を別途行う必要があります。
「詳細を確認する」をタップしましょう。
販売開始前の最終確認画面です。問題なければ右上の「リリース」→「OK」を押しましょう。
なお、一度販売開始すると取り返しがつかないのでご注意ください。筆者は今回、誤って「売上配分額なし」で申請しちゃったので、どれだけ売れても1円にもなりません。詰みました。
画面右上に「販売停止」が出たら申請完了です。
しかし、実際に販売開始されるのは数十分〜数時間後なので、お茶でも飲みながらしばし待ちましょう。販売開始したら、購入ページURLとともにLINEから通知が来ます。
20分後、無事にLINEスタンプが販売開始しました。おつかれさまでした!
LINEスタンプ販売って儲かるの? リアルな売上を公開
おそらくみんな気になっていることでしょう。「ぶっちゃけLINEスタンプ販売って儲かるの?」と。
それでは、実際に筆者の例を見ていきましょう。
Webライターにとって使いやすいLINEスタンプを作りました!
・案件の受注
・原稿料の交渉
・取材、撮影、録音、執筆
・やばい進捗
・〆切、納品、請求まで網羅した40個セットの豪華仕様です。
担当編集に送りつけよう!🦀▽購入はこちら▽https://t.co/4a3v5vRRPN pic.twitter.com/GYqSQICD3Z
— じきるう 編集者 (@zikilluu) February 11, 2022
記事冒頭でも紹介した筆者の近作『Webライターが使いやすいカニ』(税込120円)。
こちらの販売開始をTwitterにて告知したところ、ありがたいことに120RT/255いいねの反響がありました。
さて、このくらいの反響があった上で、売上はどんなもんでしょうか?
はい、上記のとおり、販売開始月の売上は1,379円でした。スタンプ1セットあたりの売り上げが30円と仮定すると、おおよそ45〜46人に買っていただけた結果となります。ご購入いただきました皆さま、本当にありがとうございます!!
ちなみに過去10作品以上販売してきましたが、初動はこれが過去最高です。なお、販売開始から数日〜1週間もすれば、販売数はほぼゼロになります。
……実態ってこんなもんです。もちろん売り方を工夫したり、LINEスタンプショップのおすすめ欄に載ったりすれば、もっと売上を伸ばせる可能性はあるでしょう。しかしそもそもの売上単価が1セット約30円と低いので、「LINEスタンプで食っていけるほど稼ぐ!」というのはかなり難しいと思います。
ただ、多くの人に自分の作品(スタンプ)を使ってもらえる可能性がある……というのは魅力的です。
上記は直近3ヶ月のLINEスタンプ送受信データ。筆者のスタンプは以下のように使われているようでした。
- スタンプが送信された回数:2,532回
- スタンプが受信された回数:8,310回
- スタンプを送信した人数:1,141人
- スタンプを受信した人数:6,538人
※日毎の計測のため、人数の重複あり
※11種のスタンプ合計値
……これだけの回数使われると考えたら、ちょっと興奮しませんか?
おわりに
というわけで、今回は素人でもできる、一番簡単なLINEスタンプの作り方をご紹介しました。
動くLINEスタンプや、よりこだわったものはLINE CREATORS MARKETから申請する必要がありますが、スマホアプリの『LINEスタンプメーカー』さえあれば手軽に作れるのはいいですよね。
ぜひあなたも、LINEスタンプ作りに挑戦してみてください! 8個のスタンプセットなら、30分もあれば作れますよ!
あ、そういえば本記事で作ったLINEスタンプ『自動ドアのスイッチ』(120円)も絶賛販売中です。自動ドアスイッチファンはマストバイだぜ!
いくら売れても1円にもならんけどね!!!
(執筆:じきるう)