はじめまして。ごしきと申します。
突然ですが皆さん、「痛風」という疾患をご存知ですか? 僕は齢20にしてこの痛風を患いました。
「20歳で痛風!? あれっておっさんの病気じゃないの!?」
という声が聞こえてきそうではありますが、実際に僕はなりました。
若者でも実は油断できない痛風について、この記事でお話しさせていただきます。
そもそも「痛風」ってなに?
ご存知でない方もいらっしゃると思うので、一応説明しておきますね。
【痛風】
痛風は、尿酸という物質が関節の中で固まって結晶になるために起こる関節炎を主な症状とする疾患です。関節炎は突然起こるので痛風発作と呼ばれることもあります。
プリン体が代謝されると最終的には尿酸という物質になります。ですから血液には一定量の尿酸が含まれています。いろいろな理由で血液中の尿酸の濃度が高くなり、7.0mg/dlを超えると高尿酸血症という状態になります。高尿酸血症が長く続くと関節の中で尿酸が固まります。固まった尿酸が関節の骨と骨の間(関節腔)に落下すると白血球が攻撃します。こうして痛風発作が起こります。
(出典:東京女子医科大学)
ざっくりまとめると、体内の「プリン体」が尿酸へと変化し、それが関節にたまって痛む、という疾患です。
「プリン体の多い食べ物はよくない」といわれるのはこれが原因。エビ、シイタケ、魚卵、鶏レバー、牡蠣なんかはプリン体が多いですね。
……勘のいい方ならもうお気づきですよね? そうです。プリン体の多い食べ物はとても美味しいんです……! なぜ神様はこんなにもイジワルなのでしょうか。
あと、ビールなどのお酒もプリン体が多いみたいです。「ウイスキーや焼酎などの蒸留酒はプリン体が少ないので痛風になりにくい」などとも言われてますが、お酒そのものに含まれるプリン体は少なくても、アルコールからプリン体は生成されてしまうので結局リスクはあります。ハイボールも酎ハイも危ないですよ。残念でした!!!
そんな痛風ですが、これがまあ痛いんですよ。本当に痛い。「風が吹くと痛む」って書くほどですからね。それどころか無風でも死ぬほど痛いです。
痛みに弱すぎて、今日の早朝から今までにかけてめっちゃナーバス。1人になった途端に「俺が…何をしたって言うんだ…!」っていう感情になる。
— ごしき (@goshikingdom) January 1, 2021
痛風、本当に辛い。もう二度と歩くことができない気さえしてくる。
— ごしき (@goshikingdom) January 2, 2021
痛風は慢性的に痛いわけではなく、条件がそろうと発作的に痛みがやってくる感じです。
僕は過去に2回発作が起きたことがあります。
痛風デビューは突然に(1回目)
2018年6月。ある日目を覚ますと、右足の親指の付け根に違和感が。ですが、痛みってほどでもないし、特に気にしてはいませんでした。
しかし、時間が経つにつれ痛みがどんどん増していき、夕方には歩けなくなっていました。なにしろ痛いので。
よく見るとパンパンに腫れてるし、血流とともに痛みがじんじん響く感じ。いや、ずんずんかな。というよりもぎゃんぎゃんって感じ? あーー、それよりも、ぞゎんぞゎんって感じ!?
ここで初めて痛風を疑いましたが、まだ20歳。「まさかこの歳で痛風にはならんだろ……」とは思いつつ、症状は完全にそれだったので、痛風の先輩である僕の父親に聞いてみたところ、
「これはお前、痛風だな! やばいな! いてえだろ? いてえよな!?」
と、何故か嬉々として言われました。将来ぜったい介護してやんね。
両足を床についての歩行は不可能でしたが、「けんけん」の要領で左足だけを使えば移動はできるので、それが唯一の救いでした。
実は次の日に大学でテストがあったので、絶対に休めなかったんですよね。ですが、けんけんができるならテストにはなんとか行けそうだなと思い、この日は就寝。けんけんで大学通ってる人がいたらたぶん痛風です。
しかしその翌朝、目覚めた僕は絶望しました。
全く歩けなくなっていました。歩くことはおろか、ベッドから起き上がることすらもできなかったのです。なんとか起き上がってけんけんを試みても、着地した振動が患部に響いて痛むのでそれもできず。結局テストを休む羽目に。
なお手続きをしたところ再試が認められましたが、勉強が足りずふつうに単位を落としました。最初から痛風のせいにしておけばよかったな。
痛風は時と場所を選んではくれない(2回目)
2回目は2020年の12月31日。大みそかでした。
朝起きると、左足の親指の付け根に痛みがありました。これも例によってそこまで大した痛みではなかったのですが、発症は2度目だったのですぐに気が付きました。ヤツが来たか、と……。
実は大晦日から元旦にかけて、友人と長距離歩いて初日の出を見に行くのが毎年の恒例になってたんです。そこで今年は40キロ歩いて初日の出を見に行こうという話をしていたんですよね。昨年はレインボーブリッジまで歩きました。
本当にタイミングが悪いな。いつ出てきても嫌だけど。
でもまあ出てきてしまっては仕方ない。とりあえず痛み止めを飲んでごまかそうと思い、母親に頼み市販のロキソニンを買ってきてもらって、服用。
すると、どうでしょう。先ほどまでの痛みが嘘のように消えていくではありませんか。ロキソニン万歳。第一三共万歳。
これが慢心でした。痛みが引いたから全然大丈夫だと思い、友人との待ち合わせ場所へ向かいます。
「そんな足で大丈夫か?」
「大丈夫だ、問題ない」
こうして意気揚々と歩きだします。しかもあれだけ冒頭でお酒はだめと書いたのに、この日の僕は飲酒までしています。
初日の出散歩スタートしました。 pic.twitter.com/HuSaiWO45v
— Path-Way-Alley (@Path_Way_Alley) December 31, 2020
いかに僕が調子に乗っていたかがうかがえますね。愚の骨頂。
ですが楽しい時間も長くは続きません。5キロ、10キロ、15キロと、歩けば歩くほど僕の左足にはダメージが蓄積されていきます。最初の違和感からやがて痛みに変わり、20キロ地点。僕の左足には激痛が走っていました。
これ以上歩くと無事に帰ってこられなくなる予感がしたので、付近にあった吉野家で始発を待ち、帰ることに。これに関してはマジで英断でしたね。
あけましておめでとうございます。
初日の出を見るために40キロ離れた「多摩湖」まで歩いて目指していたのですが、午前四時の石神井にある吉野家で「ごしき」の痛風の発作が限界を迎え、井荻駅から始発の次の電車で帰ってきました。
今年もよろしくお願いします! pic.twitter.com/OG3mrZZA9j— Path-Way-Alley (@Path_Way_Alley) January 1, 2021
始発まで待ったのに、すでにまともに歩ける足ではなく、結果的に始発の次の電車に乗りました。
ちなみにお正月に病院がやってるはずもなく、またロキソニンの効果もそこまであるわけではないと気づき、地獄のような三が日を過ごしました。入浴もままならないし、用を足すのだって細心の注意を払う必要がある。
入眠も大変です。とにかく痛いので眠気が削がれるんですよ。ずっとベッドで天井を見つめるだけのお正月……。
凄いぞ、鎮痛剤!
こんな痛風ちゃんですが、お医者様からもらった鎮痛剤を飲んだら一発でした。
僕は2回とも内科で診てもらっていますが、1回目の診察の時、診察室に入ったとたん「痛風でしょ!!!」と先生に言われました。おそろしく速い診察。
状況を整理すると僕が痛風なのは素人からしても自明の理でしたが、心のどこかではまだ痛風ではない可能性を信じていました。痛風なんておっさんがかかる疾患だと認識していたし、「不健康です」と烙印を押されているような気分でしたね。
「まだ僕、20歳なんですけど、若くても痛風になるものなんでしょうか……?」
「最近は若い人もけっこう多いですよ。かくいう私も20歳の時が初めてでしたからね(笑) とりあえず鎮痛剤飲めばよくなるから、出しておくね」
そんなこんなでお医者様に処方された鎮痛剤を飲んだら、この鎮痛剤がすごくて。飲んだ次の日には痛みはあるものの、歩けるくらいに回復しました。いがくの ちからって すげー!
痛風の原因はお酒でもおいしい食べ物でもなく……
ここまで痛風について書いてきましたが、僕には痛風になる心当たりがありませんでした。お酒もあまり飲まないし。もしかしたら父からの遺伝なのか?という疑いはありましたが。
ただ、先生のお話を聞いて納得しました。2回とも「過度な発汗と、不十分な水分補給」だったようです。
1回目の発作の時期は6月。初夏ですね。日本では雨季が過ぎ、突然暑くなる時期です。
当時の僕は、大学へ自転車で1時間かけて通学していました。その間ほぼ坂道、ノンストップ。なにより暑くなりだした時期なので、発汗量が凄かったと思います。あまり水分補給もしてませんでしたし。
2回目の発作は2020年の年末。この時期に僕はホテル清掃のアルバイトをしていました。
ホテル内は暖房が効いてるので、清掃の仕事は冬でもけっこう汗をかくんですよ。にもかかわらず仕事中は給水をほとんどしてなかったので、何回かシフトに入ったのちに発作がやってきました。
体内の水分が失われると、排尿ができなくなり、血中の尿酸が増え尿酸値が上がるそうです。おそらくそれで痛風を発症してしまったんだと思います。
汗をかいても水分補給をすれば問題はないそうですが、僕の場合は汗をかいたまま放置してしまっていたのが良くなかったみたいです。
水分をしっかり摂って、適度に排尿をしていればなかなか発症しません。尿意を催すことは幸せなことなんですよ。
最後に
痛風はとにかく痛いです。パンパンに腫れます。歩けません。体も動かせません。風が吹くと痛いです。風が吹かなくても痛いです。何もしていなくても痛いです。ズキズキ痛いです。針のようなものを何本も刺されているような痛みです。
なので、ここまで読んでくださった皆様、痛風にはお気をつけてお過ごしください。若くてもなります。若くてもなります。痛風は、若くても、なります!!!
では、また。
(執筆:ごしき)
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