『オオゼキ』というスーパーがある。
おもに東京都の西側を中心に、東京・神奈川・千葉に展開している、関東ローカルのスーパーマーケットだ。
ひょんなことから、「私の趣味は、オオゼキです」と言い切る、オオゼキを好きすぎる主婦・まつしまようこさんと知り合うこととなった。
このかた、またずいぶんと熱量が高いのである。
オオゼキに対する愛を語ったnoteがバズったかと思えば、誰かに頼まれたわけでもないのに「女友達へのプレゼントはオオゼキで調達するのだ」とプレゼンを始め、よいものを見れば「すごい!○○界のオオゼキ!」と賛辞を送り、最終的にはオオゼキツアーを(勝手に)開催するに至ったのだ。
あの、すみません……あなたオオゼキのなんなんですか?
聞いてみれば、社員でもなければ株主でもない。ただただ純粋に、ものすごい愛情を持ったファンなのである。
いったい、オオゼキのどこにそんな魅力があると言うのだろうか。そう思っていたところ、
彼女の開催するオオゼキツアーの第2回が開催されるとの情報を聞きつけ、参加をしてきた。
これがすごかったのでレポートをします。
オオゼキツアー in 下北沢
今回のオオゼキツアーの集合場所は下北沢駅。そこに待ち構えていたのは、まつしまようこさん。
オオゼキへの愛とバイタリティーがあふれだしている主婦だ。
まつしまさんやほかの参加者のかたはオオゼキカラーの赤色の衣類を身にまとっていた。
いる? そのドレスコードいる??? 熱量がへんな方向に暴走してない???
オオゼキに向かう一行。灰色のシャツのお兄さんは全くの他人である。なんか参加者を水増ししたような写真が撮れてしまった。
いや、あくまでも営業中のスーパーに向かうので、あまり大勢で行っては迷惑になる。これくらいの人数でなければいけないのだ。
いまあらためて見ると、服装が女性ふたりが赤いワンピース、男性ひとりが白いシャツで、なんとなくおめでたい感じがする。
お店に向かいながら、まつしまさんにお話をうかがった。
オオゼキには7つの魅力がある
えーとまずその、オオゼキの魅力っていったいどこにあるんですか?
はい。オオゼキはですね、一言で表すと『ヴィレッジヴァンガードで道の駅』なんです。
すみません。もうすでについていけてないんですが、いったいどういうことなんでしょう。
はい、ほかにもたくさんの魅力があるので、今日はBさんに「オオゼキ7つの魅力」を教えてさし上げましょう!
おお……!どうぞお手柔らかにお願いします。
じゃあまずBさん、この品揃えを見てなにか感じませんか。
ぶどうの種類が豊富ですね。この時期にシャインマスカットが1000円を切っているなんてありえないです。デラウェアの価格は妥当、巨峰はややお買い得感のあるお値段。さらにアレキサンドリアにオーロラブラックといった岡山産のぶどうも取り揃えているところはポイントが高いです。そもそもオーロラブラックは岡山県オリジナル品種のぶどうで……
あ、Bさんはぶどうオタクなんでしたっけ……
ともかく、バイヤーの魂を感じていただいたようで何よりです。
ハッ! すみません、つい夢中に。
まず、道の駅というところはわかりました。おなじ「ぶどう」という商品でも、種類がかなり豊富なんですね。
そうなんです。取り扱い商品の幅が広いことがまず特徴ですね。道の駅とか、市場みたいな感じなんです。
なるほど。でも、それならほかのスーパーも負けてないのでは?
まだまだ、オオゼキの魅力はそれだけじゃないんですよ。
【オオゼキの魅力その1】
道の駅的なバリエーションの豊富さ
この陳列を見てください。
山盛りですね。
バイヤーがやりたくてやっちゃってる感じがするんですよ。
ちなみにこちらの写真(下図)をご覧ください。これは他店のオオゼキなのですが、これとかもう神輿じゃないですか。
おお、お祭りだ! わっしょいわっしょい!!
こうやってどんどん載せてしまうんですよ。箱のまま重ねてもいいのに、商品を目立たせたくてしかたがない。
【オオゼキの魅力その2】
陳列がお祭り
店内にも魅力がたくさん
2階に上がりまして、ここが東京で一番の名所・オオゼキ精肉コーナーです。
スカイツリーを抜く名所かどうかは別として、まずこの鶏肉が安いですね。
はい。価格は時期によっても変わりますが、こちらの写真(下図)を見てください。どうかんがえてもめちゃめちゃお買い得じゃないですか。
国産若鶏むね肉がグラム29円!!
いや、それはたしかに安くてすごいんですけど、画像がぱっとでてくるのもすごくないですか。
ほかにも、ふるさと納税の返礼品として人気の『どんぐりの恵み豚』もオオゼキでは取り扱ってます。
見てください、このまま食べたくなるようなうっとりするピンク色。日本の桜かどんぐりの恵み豚かってくらいですよ!!
ああー、たしかにうまそうですねこれ。価格もブランド豚ってことを考えたらそこまで高くないし。
うわ、隣なんですか。前沢牛がありますよ前沢牛!! ステーキ用A5等級……グラム950円!? 高っ!!
はい、百貨店やデパ地下で買うようなお肉もしれっとあるのがオオゼキです!
でも、高級なお店で買うとグラム1000円は余裕でしますよね? オオゼキは価格と品質のバランスがいいんですよ。
なるほど、安いものも高いものも揃っていて、でもみんなちょっとお値打ちなんだ……!
【オオゼキの魅力その3】
価格と品質のバランスがいい
商品に「奥行き」がある
隣は鮮魚コーナーですが、なんかありますよ。ハモ……!?
捌いていない状態のワタリガニや、鯛までありますね。石川県の高級魚・ノドクロも1匹まるごと置いてある!
こういうのを置いちゃうのがオオゼキなんです!!!
調理したこともないし、一般家庭じゃ使い切れないはずなのに、コレを使って料理してみたいと思わされる!
鯛やノドクロを1尾買うって経験がないので、これが高いのか安いのかはいまいちわからないんですが……とにかくわくわくするってのはよくわかりました。
そうでしょう! 続いて、こっちに来てください。
醤油のコーナーですね。
はい。鮮魚コーナーに続いて、調味料コーナーでヴィレッジヴァンガードっぽさを感じてください。
食のヴィレッジヴァンガード……彦摩呂かな。
まず見てください。商品に奥行きがありませんか?
奥行きってなに???
スーパーって、たとえば同じ価格帯の商品はたくさん揃えてますよね。
はいはい、薄口と濃口をA社B社容量別に用意して、あと白醬油と有機……みたいな。
こちら、オオゼキの棚をご覧ください。こちらは牡蠣のエキスが入った『かき醤油』。こっちは九州でお刺身に使う『甘口醤油』です。なかなか見かけない、大分のフジジン醤油!
おおお! これは気になる。
ソースのコーナーにも、『どろソースの辛さ5倍』とかもあるし、有名メーカーの商品なのに見たことがないやつもちょこちょこ混じってますね。
オオゼキはまんべんなく揃えないんです。種類は豊富だけど、価格帯はばらばら。
お肉や鮮魚コーナーと同様、日常使いのものから高級店に並ぶようなものも揃えてあるんです。
299円のジャムの隣に5000円越えのマヌカハニーが……!?
オリーブオイルも価格差がすごくないですか。有機エクストラバージン……???
「え!?これをそこに置いちゃう!?」みたいな感じで、高級なものも目立たせずに混じってるんですよ。これ、オオゼキから提案されてる気分になりませんか。「普段のこれもいいけど、これを使ってみない?」って。
たしかに、料理がすきなひとにはたまらないかもしれない……興味の湧く品揃え……!!
【オオゼキの魅力その4】
商品を提案されている気分になる
あの寿司屋さんも入っているオオゼキ
そろそろお昼を買いましょう。
おお、お寿司のコーナーがありますね。なになに……美登利寿司?
そうなんです! オオゼキのパック寿司はひと味ちがいます!
かの有名な『美登利寿司』の職人さんが作っているんですよ!!
美登利寿司って、渋谷にある1時間待ちは当たり前というあの美登利寿司ですか?
そう、その美登利寿司です!! オオゼキのうち下北沢店を含む9店舗に美登利寿司が入っていて、あの名店の味をたのしめるんです!
おおお、すごい! 最高~!! 神では???
【オオゼキの魅力その5】
寿司コーナーは美登利寿司(※一部店舗のみ)
とにかくすごいプロ意識
最後は野菜を見て帰りましょう。
わたし、道の駅の産直が好きなんですよね……これは期待。
一見、なんのへんてつもない陳列だけど……。
あっ、でもトマトが! ピーマンが! にんにくが! ぜんぶやたらと種類が多い?!
フフフ……! オオゼキは、人気店と名が高い飲食店のシェフたちが、自ら買い物に来るレベルの品揃えなのです! 下北沢には和・フレンチ・イタリアン……数々の名店があります。すなわち、オオゼキはスーパーの形態をした市場!!
トマトは品種がたくさんあるからわかるけど、ピーマンは北海道産に岩手産に宮崎県産、高知に茨城……こんなにバリエーションいる??? にんにくも値段や産地のちがうものが10種類以上あるじゃないですか。どういうことなの……!!
お客さまからのさまざまな要望に応えた結果がこれです! 下北沢店のトマトは約40種類の品揃えなんですよ!!
すごい……!! すごいけどまつしまさんはいったい何の立場なんだ……!!(※ファンです)
【オオゼキの魅力その6】
ユーザーの声にとにかく応える
さて、それではレジに行きましょう。
いやー、ありがとうございました。
十分すぎるほどオオゼキの魅力を語っていただきました。店内で。(※マジです)
いえ、まだ終わりじゃありませんよ! 見てください!! あのレジ打ちのスピードを!!
早い! スーパーにはだいたい一人なんか知らんけどレジ打ちのめっちゃ早いおばちゃんがいると思うんですが、オオゼキのレジ、全体的に早くないですか。
そう、そうなんです! オオゼキの店員さんは全員がプロってるんです!!
以前ほかの店舗で、お客さんとゆっくり会話をしながら高速でレジ打ちをする店員さんを見たことがあります。
レジ打ちにおけるマルチタスク……!? オオゼキいったいどうなっているんだ……!!
【オオゼキの魅力その7】
店員さんがプロってる
買い物を終えて
いかがでしたか? この1時間半でオオゼキの魅力が少しでも伝わっていればいいんですが。
少しどころか、イヤというほど伝わりました。ありがとうございます。
たしかに、見ているだけでもなんだかたのしくなるお店だな、というのがわかりました。
では、最後にオオゼキの言語化(※オオゼキツアーの恒例行事)をしたいと思うんですが、Bさんにとってオオゼキとはどのようなものでしたか?
これ、言わなきゃだめなんですかね……?
「未知との遭遇」です。知ってたけど、知らなかったお店。まつしまさんをきっかけに興味を持つことができました。
それはうれしいです!
今後もオオゼキのすごさを勝手にどんどん発信していく所存ですのでよろしくお願いします!!
このバイタリティーはどこから来るんだろう……すげぇなこのひと。
とにかく楽しかった。怒涛のような1時間半だったと言ってもいい。
話している相手がおなじお客さんであることを忘れるほど、おもしろく、濃密な時間を過ごせた気がする。
一介のお客さんであるはずの主婦が、ここまで愛情を注ぎ、叫び、ひとを巻き込んでゆく。
もちろん、まつしまさんの性格や行動力もあるのかもしれないが、彼女の身体を動かしているのはただひとつ、オオゼキの魅力なのだ。
きっと、今後も彼女はオオゼキへの愛を語ってゆくのだろう。
そして、その語り口に、発想に、行動に。彼女の周囲のひとが、つい気になってしまうスーパーとしてオオゼキはあり続けるんだろう。
だって、まつしまさんの趣味はオオゼキなのだから。
8/25日にはオオゼキの魅力を語るイベントを開催予定だそうですよ。やっぱり、このひとなんか色々すげぇな。
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