着られる傘立て “WUS” を開発した

 

毎日使うものじゃないけど、老若男女ほとんどの日本人が持っているアイテムってなーんだ?

答えは「傘」である。

冒頭からざっくりした質問でおそれいります。

 

そんな傘であるが、昨今ではいろいろな問題が政治家の不祥事のごとくあふれ出している。

持ち方が危なかったり、電車などでしずくが他の人にかかったり、お店の傘立てに立てていたら盗まれたり、雨があがっていて忘れてきたり。

もはや負のイメージしかない。

 

▲負のイメージはいらすとやでも採用されている

▲負のイメージはいらすとやでも採用されている

そんな傘の現状を打破すべく、画期的なガジェットを作ったので見てほしい。

 

koge

 

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▲撮影日におもいっきり台風が来たので室内から失礼します

▲撮影日におもいっきり台風が来たので室内から失礼します

孫悟空の如意棒方式で傘を持ち運べるようにした。

その名も “Wearable Umbrella Stand(ウェアラブル アンブレラ スタンド)” 略してWUSである。ウス!
直訳すると「着られる傘立て」だ。なるべく直訳しないでほしい。

これなら邪魔にならないし、濡れていても問題なく、傘立てに立てずに店内に持ち込むことができる。え、もしかして天才!?

 

▲使用後はフタをはずして水滴をふきとり、風通しのよいところに置いておく

▲使用後はフタをはずして水滴をふきとり、風通しのよいところに置いておく

もちろん出し入れもスムーズに行なえる。

 

さっそうと取り出す。

 

しまう時もスムーズに……いや、慣れればもっとうまくできるはずなんですよ。

真顔で撮ったつもりがニヤけ顔になっているが、性能には問題ないのでご安心を。

 

 

WUSの作り方

 

本来なら、クラウドファンディングで資金を募る→大量生産→バカ売れ→ウッハウハになるところであるが、今回は特別にWUSの作り方を公開したいと思う。郊外に建つイオンモールの敷地くらい広い心だなあ。

 

▲ラフと設計図を書き、材料を調達した。設計図の「器具」という表現に不安がにじむ

▲ラフと設計図を書き、材料を調達した。設計図の「器具」という表現に不安がにじむ

必要な材料は、塩ビパイプ、ふた、合皮シート、革ヒモ(太・細)、ハトメ、ボンド。それとありったけのガッツである。

写真にするとあっというまだが、お店に下見に行ったり在庫確認の電話をかけたりして、ここまでで2週間かかった。なんというコストパフォーマンスの悪さか。

しかしそれと引き換えに「東急ハンズは駅前にあるけどコーナンは駅から遠い」という教訓を得たのでプラマイゼロだろう。いや、むしろプラスかもしれない。

 

▲合皮シートを切り、塩ビパイプに巻きつけてボンドで接着する

▲合皮シートを切り、塩ビパイプに巻きつけてボンドで接着する

はじめは塩ビパイプのままでも無骨でかっこいいかなと思っていたが、「雨どいみたい」と言われたので合皮シートを巻くことにした。まあ雨どいは塩ビパイプなので、至極まっとうな意見ではある。

 

▲この作業で最大の難関、ハトメである

▲この作業で最大の難関、ハトメである

次は皮ヒモを通すために太い皮ヒモに穴をあけてハトメでとめる作業だ。

ハトメのパッケージウラ面にやり方が書いてあった。なるほど、下に木板かゴム板を敷いてからカナヅチで叩くのか。

しかしどちらもなかったので、床にカッティングシートを敷いてカナヅチを軽く一振りしたら鈍い音とともに家が揺れた。

やばい。これはおもいっきりやったらフローリングに穴が空いて大家さんから怒られるやつだ。カッティングシートはカッターの作業には適しているが、カナヅチで叩く用ではなかったのだ。100均で買ったやつなのに、むちゃ振りしてごめんな。

しかたがないので外でやろう。うちの大家さんは優しいので、もし庭先のコンクリート部分が割れてしまっても「マリオが来てコインが出るからと手当たり次第壊していった」とか言い訳すれば許してもらえるだろう。

 

▲当初の不安をよそに、手際よく作業が進む。才能が開花してしまったかもしれない

▲当初の不安をよそに、手際よく作業が進む。才能が開花してしまったかもしれない

カナヅチを振りかざすと、カーンカーンと思いのほか甲高い金属音が静かな住宅街に響き渡った。やかましい!と近所の人がいっせいになまはげみたいな形相で飛び出してきやしないかとドキドキした。なぐごはいねぇがDIYにいそしむおじさんならここにいるぞ。

 

そんな妄想をしながらハトメに細い皮ヒモを通し、完成した。

▲めっちゃピッタリ!

▲めっちゃピッタリ!

 

不具合があったので改良

 

うまいことできたかのように思われたが、実際使用してみると、使いにくかったり不安定だったりするぞ! との声がお客様相談窓口に寄せられた。使っているのは私だけなのでいわゆる自作自演なのだが。

もとの構造は上下ふたつの穴に1本のヒモを通したものだった。ゆえに、リュック風に背負おうと右手を通すとそちら側にヒモがひっぱられて左側に手を通す余裕がなくなってしまうのだ。

みなまでいうな。文章で説明しても伝わなないのは重々承知である。
どういう状況か知ってる自分でも文章を読んでもこりゃ伝わらんだろうなと思っている。なんとなくの雰囲気で読み取ってほしい。

 

そこで今回は左右のヒモを独立させる方式にして、さらにヒモも太くした。
それにより、かつてないほどの安定性と利便性を兼ね備えたものになった。

 

▲中学二年生あたりが喜びそうなデザイン。剣とか入れたい。

▲中学二年生あたりが喜びそうなデザイン。剣とか入れたい

わずかな改良だが、見た目がずいぶん良くなったと自負している。
これで梅雨もどんとこいである。このまえ終わったところだけど。

 

まとめ



百貨店や各種商店の入口に濡れた傘を入れる傘袋がよく置いてある。スーパーのレジ袋にもお金がかかる現代においてエコバッグが広まったように、また冒頭の傘問題解消のためにこのWUSが一般的になる日もそう遠くないのかもしれない。

と、いい話風に締めたが、本音を言えば「かっこいいガジェット作ったから見てー」と自慢したかっただけで、エコとか傘問題とかは完全な後付けである。たまたまつながってよかった。

 

▲いきおいあまって折りたたみ傘用のWUSも作った

▲いきおいあまって折りたたみ傘用のWUSも作った

 

(おわり)

Profile

koge
koge二日酔いグラフィックデザイナー
「まあいっか」「わかっちゃいるけどやめられない」「他力本願」を心のクリーンナップに据える会社員。Adobe系のソフトは使いこなせるがExcelは文字入力しかできない。
個人ブログ『ふんがふんがブログ(仮)