マリトッツォがブームです。
パンの絶妙な塩気に、たっぷりの生クリーム。
全人類とまではいかないけれど、半分以上の人類は好きな味じゃないでしょうか。
そしてその迫力ある見た目は当然「映え~」の格好の的にもなる。
ブームになるのもうなずける味であり、見た目。すごいぜマリトッツォ。
そんなある日、僕はマリトッツォを見て思ったのです。
土台となるパンに、みっちりと差し込まれたマリトッツォ。画像にするとこんな感じ。
これ、円グラフじゃない??
実際のマリトッツォを見ても……
なんか、「そうですね~ 大体30%くらいですね」と説明したくなるような円グラフっぷり。
そうだ!! マリトッツォは円グラフなんだ!!
というわけで今回は、マリトッツォを円グラフに見立てた「マリトッツォグラフ」を作ってみました。
マリトッツォに関するアンケート結果を、マリトッツォグラフであらわす
このマリトッツォグラフを楽しむために、「マリトッツォに関するアンケート」を取ってみました。
マリトッツォのことをマリトッツォで表す……まるで自分のしっぽを自分で食べる蛇、ウロボロスのようじゃありませんか。まぁあれもある意味円グラフだけど。
友人にばらまき、Twitterにばらまき、クレイジースタディ関係者の方にもばらまいた結果、88票の回答が集まりました。
みんな真面目に答えてくれてるのに、僕が作りたいのはマリトッツォグラフなんだよなぁ……と思うと若干申し訳なさも感じたけれど、そのほろ苦さはマリトッツォの甘さで消し飛びました。
では、さっそくマリトッツォグラフで表したマリトッツォアンケートの調査結果を見てみましょう!(文章の構成上、実際の質問と順番を変えています)
このお菓子の生まれた国はどこでしょう?
選択肢は「①日本」「②イタリア」「③マリ」の3つ。
答えは「②イタリア」なのですが、果たしてアンケートの結果は……
結果としては86.4%の人が正解のイタリアを、10.2%の「ウィットに溢れた人」か「僕のことが嫌いな人」がマリを選ぶ結果になりましたね。メロンパントッツォなどのガラパゴス化したマリトッツォもあるので、ある意味では日本が発祥も正解なのかもしれません。
素敵な回答結果のおかげで、マリトッツォグラフも「わりとマリトッツォ」、略してワリトッツォな感じに仕上がりました。
このお菓子を食べたことがありますか?
続いての質問はこれ。いまやそこかしこで見るスイーツですが、果たしてみんなは食べたことがあるのでしょうか?
結果はこちら!
なんと、食べたことがある人のほうが少ない結果に!
マリトッツォ、私の周りではそこまで流行ってない説が浮上してきました。
「生クリーム部分はやっぱり食べたことがある側の割合にしたいよね……」という思惑で、マリトッツォグラフはこんな感じに。
もはやマリトッツォというより生クリームパンになりつつありますが、次行きましょう、次!
このお菓子はどこが魅力だと思いますか?
選択肢に用意したのは「①生クリーム部分」「②生地部分」「③全部」「④これを食べている自分」の四択。
さぁ、結果は!!
6割近い人が「生クリーム」だと回答し、3割の人が「これを食べてる自分が魅力」と答えてくださいました。
映えに潜む闇と風刺を感じます。
マリトッツォグラフを改めて見てみましょう。
なおお気づきかもしれませんが、このマリトッツォグラフ、全部自分で作っております。(土台のパンは買いました)
グラフにすることも考えて、いつもより多めにかき混ぜ、固めにした生クリーム。
さらに出来上がったクリームを一時間ほど冷やすことで「クリームっていうか柔らかめバター」くらいの固さにしたのです。
それでも、パンとフルーツを載せたらこのありさま! っていうか無理! クリームでエッジつけるの、私の製菓力じゃ無理!!
重力ってすごい! ということがよくわかるグラフでした。
ちなみにやや上から撮影すると、美味しそうな王蟲に見えました。
このお菓子の名前は何でしょう?
最後のグラフはこの質問。
グラフ業界に一石を投じるこのお菓子の名前は、「①マトリッツォ」「②マリトッツォ」「③マリオ」のどれだ!?
はたして結果は……
みなさんほぼ正解!
個人的にはいつも「マリト…マトリ…どっち…」と口走っているのですが、名前は正しく世間に認知されている結果となりました。そしてマリオって答えた人(88人中3人)は、やっぱり僕のことが嫌いなのでしょうか。
重ねてみると、こうです。
マリトッツォというより「生クリームのパン添え」という感じですが、パンと生クリームがあるのでこれもマリトッツォですね!
マリトッツォ、グラフにしてもわりと良い
いかがだったでしょうか。
「まず製菓学校に通ってからこの記事を書くべきだった」という気持ちを抱えつつも、ここまでこの記事を作成してまいりました。そして人類は重力の呪縛からは乗り越えられないという新しい気づきも得ることが出来ましたね。
ちなみにこのマリトッツォグラフ、ビジネスの場で実際に使ってみたらどうなるでしょうか?
(~グルめんぼ 第48話「50パーセントのグラフ」~)
社長
「課長くん! 今期の目標はどうなっているのかね!」課長
「しまった、今期の目標達成率は50パーセント……私の首が危ない!」万里十津雄
「社長、まずはこいつを食べてください……(そっと皿を社長に出す)」社長
「これは……生クリームが半分、パンが半分のマリトッツォ? まさか!」万里十津男
「これは今期の目標をマリトッツォで表したものです。マリトッツォグラフと言います」社長
「生クリーム部分が50%も……! すごい豪華じゃないか! すごいぞ課長! 昇進!」課長
「ありがとうございます! 助かったぞ万里! お前も昇進!」万理十津雄
「へっ、俺はただ……美味いマリトッツォが食べたかっただけです」(~EDテーマ 中村由真「LINE」~)
というようなサクセスストーリーもできあがるかもしれません。
色んな意味で無限の可能性を秘めた美味しいグラフこと、マリトッツォグラフ。
みなさまも是非、お試しください。
ちなみにマリトッツォグラフ、もちろんスタッフ(私・妻)が美味しくいただきました。
「もうマリトッツォなんてコリゴリッツォ!」という結果になると思いきや、市販のものよりも甘さ控えめに作ったためか、どのパターンでも(むしろクリームが多い方が)コーヒーと相性抜群で美味しかったです。
一節では、古代ローマ時代からあるというマリトッツォ。こんなに遊ばれてもきっちり美味しいなんて、やっぱすごいお菓子なのかもしれない、と思ったのでした。
(執筆:三戸満平)
読了おめでとう!次はこちらの記事をどうぞ!