先日、こんな記事を書きました。
「質の高い記事は、数字もとれるものだよ」という趣旨の記事です。
しかし実際のところ、どんなにいい記事でもPV(ページビュー)が振るわないことはあります。
「なんだよ、言ってたことと違うじゃないか!」って感じですよね。すいません。
でも、すこし弁解させてください。
ボクの述べた “数字” には、もう少し広い意味があるのです。
PVが悪くても、他の数字がいい場合はある
どうしてもパイの小さい、ニッチなネタの場合、PVが伸びにくい傾向にあります。
たとえば以下の記事。
この記事のPVは、本メディアにおいて歴代111位(161記事中)。決してよくはありません。
それもそのはず。『おいおい老い展』というややニッチなイベントのレポートのため、読者ターゲットは限られてしまうからです。
しかし、読者の平均ページ滞在時間は5分01秒。
本メディア全体の平均は2分34秒なので、約2倍です。
途中の離脱が少なく、熱心に読まれていることがうかがえます。
つまりこの記事は、「PV」という数字はよくないものの、「ページ滞在時間」という数字ではズバ抜けて良かったのです。
「数字のとれる記事=PVを稼ぐ記事」とは限らない
ブログやメディアにおいて、多くの場合「数字=PV」ととらえがちですが、他の数字もよく見てみましょう。
今回の例のように、PVが悪くても滞在時間が長かったり、商品購入数が多かったり、サービス登録数が多かったり……そういったケースは意外と多いものです。
少し前にブログ界隈で「月間1万PVでも月売上30万円!」みたいなのが話題になりましたが、あながち嘘ではありません。
狙った読者ターゲットにしっかり訴求して、購買へのCVR(※)を高めることで、そういったブログは成立します。30万円ほしい。
※CVR:顧客変換率。「商品購入などのコンバージョンに至った人の数 ÷ ページの訪問者数」で割り出せる
ひとことに「数字のとれる記事」といっても、その数字が何を指すかはケースバイケースなのです。
数字を組み合わせて、ワクワクする指標をつくる
ボクの好きなWebメディアのひとつに『CINRA.NET』があるのですが、ここがけっこう面白い取り組みをしています。
記事の評価を、独自の指標「EXPT」で測ってるというのです。
EXPTは「PVと滞在時間をかけ合わせた数値」で、記事が合計何時間読まれたかを表しています。これを指標とした理由は、人の感動に繋がった記事をしっかりと評価するためなんです。
芸能ニュース記事だと、一瞬で数十万PVを記録したりするんですが、滞在時間で平均すると5、6秒みたいなものも多くて。それより、1万PVでも10分読んでもらった記事のほうが、人の感動や変化を生み出していると思ったんですよね。EXPTを指標とした効果もちゃんとあって、PVを指標としていた頃と比べると、売上が2倍以上になりました。
(引用:Workship MAGAZINE)
あ、これすごくいいなと。
「PV×滞在時間」で計算することで、その記事が合計何時間読まれたかが分かります。
たとえば記事が150PVしか読まれなかったとしても、平均滞在時間が8分だったら、その記事は150×8=1000分(20時間)が使ってもらえたことになります。
自分の書いたひとつの記事が、数十時間分読まれていると考えたら、ワクワクしませんか?
PVだけに一喜一憂するよりは、よっぽど健全な気がします。
このように、自分にとってワクワクする “数字” の指標を作り出しちゃうのは、ひとつの手です。
目的の “数字” は何ですか?
記事によって、その目的はさまざまです。
PVの求められる記事もあれば、商品購入数や会員登録数が求められる記事もあります。
そのときに求められる “数字” が、あなたの追うべき指標です。
その数字を伸ばせる記事が、いい記事なのです。
一緒に数字を求めていきましょう。
いい記事を書くためにも。
(執筆:じきるう)
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