こんにちは、Web編集者のじきるうです。編集者という職について、早くも4年半が経ちました。
筆者はもともとWebライターをしていたのですが、編集者になってからは執筆スピードが遅くなった気がします。じつはこれ「編集者あるある」で、編集者のあいだでたびたび話題に挙がるテーマでもあります。
なぜ編集者は、記事を書くのが遅いのでしょうか。理由はおそらく2つあります。
理由1. 「記事に対する批判的な視点」が、筆を重くしている
編集者はコンテンツの道筋を示し、ライターさんの書いた記事をブラッシュアップするのが主な仕事です。それゆえに、記事に対しては常に批判的な視点をもっています。
「このパラグラフ、前半に持ってきたほうが流れスムーズだな……」
「ここの説明、具体例あったほうが分かりやすいな……」
「ここの一文は余計なのでカットしよう……」
「記事のタイトルは……」
「小見出しは……」
そう、常に、批判的な視点を持って編集しているのです。それは、自分が記事を書くときも同じです。
記事を書きながら、「ここはデータを提示したほうがいいな」「この説明じゃ伝わりづらいな」と、頭の中でグルグルと考え込んでしまうのです。
編集者は文章のプロでありながら、文章に惑わされ続けています。
理由2. 「編集者としての責任」が、筆を重くしている
編集者はふだん、ライターさんの記事に赤入れ(添削)をしています。この業務こそが、記事を書くことを遅くしている大きな理由です。
つまり、「他人様の記事に赤入れするくらいなんだから、テメェは良い記事を書けるんだろうなぁ?? おぉん??」ってことです。編集者がみずからに課した、見えない責任がのしかかるのです。
いや、書けねぇ、書けねぇよ……!!
編集者は、ライターさんの記事を俯瞰して磨き上げるのが仕事です。編集する能力と、書く能力は、まったくの別物。もちろん、ひと並みに記事を書くことはできますが、良い記事を書こうとすると筆が止まってしまうのです。
これはライターさんに対する、自己満足的な責任感でしょうか。
理由3. 書き慣れてない
元も子もない話ですが、編集者としての仕事ばかりしていると、記事を「書く」ことがどうしても少なくなります。
編集者でありながら執筆もガンガンしている人であれば早く書けるかもしれませんが、筆者の場合は膨大な記事をとりまとめるのに精一杯で、なかなか書く時間がとれません。(言い訳でしかないですが……)
先ほども申し上げたように、編集と執筆はまったく別の能力です。書き慣れてない人は当然、執筆スキルは伸びません。
執筆スピードを伸ばしたければ、まずは書く。書かなきゃ成長しません。書いてない編集者の執筆スピードが落ちたのは、当然のことですよね……。
ほんとうは編集とかぜんぶ無視して、ガーッて書きたい
筆者を含む編集者の多くは、記事全体を構造化&パターン化するのが得意です。ある程度の型がキマっている編集者であれば、まったくの初心者ライターよりはさすがに早く書けると思います。
とはいえ、「批判的な視点」や「編集者としての責任」がのしかかり、筆が重くなってしまうのも事実です。
これを解決するにはもう、いったん全部を無視してガーッて書くしかありません。編集者としての自分は脇に置いておく。推敲はすべて書き終わってからにする。そして「書く」ことの経験値を貯めていく。
いやあ、それを意識的にやるのが大変なのですが、これを乗り越えないとスピードは上がりません。編集者としての自分と、ライターとしての自分。いつでも切り替えられるようになりたいものです。
(執筆:じきるう)
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