『毒饅頭(どくまんじゅう)』というものがあるらしい。
ネーミングからして、いかにも危険そうな饅頭。静岡県熱海市にある伊豆半島合同会社が、毎週土曜日のみ販売しているというのだ! インターネット販売はしておらず、実際にお店に行かないと買えないという。
怪しいぞ。伊豆半島合同会社はなんらかの秘密結社で、暗殺用の毒饅頭を売っているんじゃないだろうか?
これは俺が実際に潜入するしかなさそうだな!
毒饅頭の売っているお店に潜入!
なんだって! お店の前に堂々と『毒饅頭』と書かれているではないか!
毒を売っていることをこんなにもオープンにしているとは! 「いつでもかかってこい」という余裕の表れからなのだろうか?
とりあえず中へ入ってみよう!
中へ入ると壁にデカく『毒饅頭』の文字が書かれており、その左下には「双雲」の文字が書かれていた。この字はこの人が書いたのか! 禍々しくも綺麗な書である。
多分、この双雲という人が伊豆半島合同会社の幹部なのだろう。( ※有名な書道家です)
めちゃくちゃ強そうな名前なので、第二形態とか第三形態とか隠し持ってそうである。( ※有名な書道家です)
少しビビってはいるが、ここは男として進まないといけない!
そもそも何故、毒饅頭という名前なのか?
「あなたが幹部の双雲さんでしょうか?」と話しかけようとも思ったのだが、やはり自分の力では到底かなわないと判断したので、素直に「毒饅頭をください」と言った。
(※めちゃくちゃ気さくな接客をされていました。取材許可もありがとうございます)
一箱1500円!高価格な理由とは
ということで、幻の熱海名物『初代 毒饅頭』と『二代目 毒饅頭』を買ってきた。
どちらも立派な木箱の中に饅頭が4個ずつ入っているのだが、価格が1500円(税込)と高額なのだ。
だが1500円という値段には理由がある。
職人が手作りした木箱に、書道家・武田双雲先生による『毒饅頭』の文字。説明書きには高級和紙が使われている。
この値段でも、会社の利益はかなり少ないらしいのだ。
ちなみに木箱の中には「大吉のおみくじ」が一緒に入れられている!
「大吉を手にする喜びを皆で共有しましょう」という意味を込めて、全ての箱に必ず大吉が入っているそうだ。
毒のくせにめでたいぞ。
毒饅頭を食べてみる
それでは、実際に食べていきましょう!
果たして毒饅頭のお味は……? そして俺は毒にやられずに生還できるのか……?!
初代 毒饅頭
濃い焦茶色が特徴の初代。2018年に販売を開始し、1日になんと数百個を売り上げているそうだ! リピーターも多い。
紅茶のような香ばしい香りが鼻を刺激する。
鼻にいい香りが抜けていき、後味に少し苦味が残る。こ、これが「毒」の味か……?!
生地は昔ながらのしっかりとした生地だ。
あんこはしっかりとしたこしあんで、ちょうどいい甘さの小豆の風味を楽しめる。上品な仕上がりだ。
二代目 毒饅頭
二代目はより多くの人に美味しく食べてもらうために、初代で使用していた「ある成分」を4分の1に抑えているそうだ。ある成分……やはり「毒」だろうか?
また開発には一流料理人も参加。毒饅頭を買いに来たお客さん100人にも食べてもらい、究極の味に仕上げたそうだ。
初代ほど強い香りはないが、食べた後にフッと紅茶のような後味が鼻から抜ける。初代のような苦味はない。
生地はふっくらとしていて、初代よりももちもちとした食感が楽しめる。
あんこは初代よりも滑らかで甘さが控えめ。いくつでも食べられそうだ!
まとめ
幻の熱海名物、毒饅頭。
お店で「なんで毒饅頭という名前なんですか?」と聞いたところ、実はドクダミが練りこんである饅頭なので『毒饅頭』という名前になったそうだ。
ちなみにドクダミには体内毒素を排出する効果もあるらしい。毒饅頭は、毒をもった饅頭ではなく、毒消し効果をそなえた饅頭だったのだ!
ちなみに味も初代/二代目ともに絶品で、一人ですべて食べてしまった! いいじゃん! だって美味しいんだもの!
花太郎的には、香りも味も共に濃く、しっかりとした饅頭生地の初代が好みだった。
土曜日に熱海へ訪れたラッキーな方は、ぜひ『毒饅頭』が売っている伊豆半島合同会社へ足を運んでみてはいかがだろうか。
花太郎、テンション爆上げで昇天しました。
(執筆:佐藤花太郎)
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