ここからは筆者がとくに笑った試合を2つと、筆者自身の試合を紹介する。
(※ヘボコン公式(デイリーポータルZ)YouTubeより画像・動画を引用しています)
第3試合 さとうファミリー vs 卑怯者カタツムリ
一つめに紹介したいのはこちらの試合。
ヘボコン史上に残る、“最悪の回転対決”となった。(動画は47:00から再生)
まずはさとうファミリーのロボット『回転寿司』。名前から想像がつくかもしれないが、高速回転する寿司、である。
問題はそのギミックではなく、サイズである。
筆者は今回を含めて7回ヘボコンに参加しているが、これほど小さいロボットが出てきたことは未だかつてないだろう。ヘボコン史上、最小レベルのちいささである。
近年のヘボコンは「デカく」「派手に」の方向が強かっただけに、その潮流を真っ向から否定するロボットだ。
対する卑怯者カタツムリのロボットは『ピンクの犬』。普通にでかいロボットである。
どうだろうこの体格差。『回転寿司』が勝てる未来が一切見えない。さながらビッグ・マムに挑むルフィである。
ではいざ、決戦である。
『回転寿司』が高速スピンで、『ピンクの犬』にすこしずつ向かっていく。ちいさいものが元気に回転する姿には、会場から大きな歓声が上がった。とても応援したくなる。
『回転寿司』はこのあと『ピンクの犬』にぶつかった後、場外となった。
なお、『ピンクの犬』からはひみつへいきのゴキブリのおもちゃが放たれ、会場からは悲鳴が上がった。
寿司とゴキブリの回転ランデブー。高熱のときに見る悪夢である。
第10試合 平凡車會 vs みらくる
続いて紹介したいのはこちらの試合。
個人的には本大会のなかで、もっともヘボい試合だったのではないかと考えている。(動画は1:30:40から再生)
まずは平凡車會のロボット、『ボコボコゴリラ』。
ぱっと見、ぜんぜんヘボくなさそうな、妙に完成されたロボットが出てきた。
どういうことかワケを聞いたところ、なんとこれは「完全なる既製品」。いいのかそれは。
「技術力の無さは金の力で解決すればいい」「黒い油性マジックで塗ってオリジナリティを出した」とのこと。ヘボさも極まると、作ることすら放棄し始めるようだ。
なお、平凡車會のヘボさは、ロボットだけにとどまらない。
チームで出演されており、最初は家族かな?と思っていたが、なんとロボットの操縦士は娘さんのご友人であった。
「娘はロボットを作るのもやる気がない」
「ロボットの操縦も練習する気がない」
「なので学校でスポーツ万能の友人をスカウトしてきた」
とお母さん。
金で買ってきたロボットを、優秀な外注先に委託する。自分たちは何もしないぞ!という強い意志を感じる。
対するロボットは、みらくるさんの『パンジャンねこ』。イギリス軍が開発した陸上爆雷兵器・パンジャンドラムをモチーフにしたロボットである。
「市販のロボットに紙皿と猫のイラストをつけただけ」と話すが、それだけでも『ボコボコゴリラ』よりはだいぶ工夫しているように感じられる。
問題はパンジャンねこを転がすための、台座だ。
会場の物販では、ヘボコン主催者である石川大樹さんの著書『雑に作る』が販売されていたのだが、それが坂道の台座として活用されていた。
『雑に作る』が、雑に使われている。ヘボコンマスターへの冒涜はなはだしい。
では試合を見ていこう。
試合開始のブザーが鳴ったタイミングで、『パンジャンねこ』の台座がさっそく崩れた。
ヘボコンにおいて、考えたことがうまく機能しないのは基本である。
試合は、『ボコボコゴリラ』が自身の動きで場外となり、『パンジャンねこ』の勝利となった。見てのとおり、『パンジャンねこ』は何もしていない。ヘボコンは試合の多くが「自滅」で終わるため、何もしていない方が勝つことはよくある。
なお『ボコボコゴリラ』を操縦していたご友人に対して、依頼主は「使えないなー」と感想を述べていた。ゾッとするヘボさである。
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