とうとうスマホを使う時間が1日10時間を越えました。
1秒でも暇な時間があるとスマホをぴこぴこしている自覚はありましたが、1日10時間は多すぎます。総務省のデータによると、インターネットの平均利用時間は1日3時間弱。7時間も上回っている。
振り返ってみると、仕事をしていても、漫画を読んでいても、トイレに行っても、ついスマホを触ってしまうし、夜中に起きてもすぐにSNSを見てしまう。
完全にスマホ中毒。これはヤバイ……。

スマホの時間を自己啓発とかに当てれば、もっと輝ける人生を送れるはずです。SDGsでNFTなスキルを身につけ、億り人にもなれることでしょう。でも、ダメだ。このままでは画面を眺めるだけのスマホ見送り人になってしまう。いますぐスマホから離れて、お金持ちを目指したい……!!
さすがに危機感が湧いてきました。3日ほどスマホを絶って、常にスマホを意識する状態をなくしたいと思います。
ただ、苦労はしたくありません。せっかくなら楽しくスマホ断食をしたい!!
こんな風に悩んでいたところ、ふと思いつきました。

温泉旅行は楽しさの権化です。3日間楽しんでいるだけで、スマホのことなんて気にせず時間が過ぎていくに違いありません。
3日間スマホから離れたあかつきには、スマホないのが普通の状態になっているはず。おまけに湯治効果で、スマホの毒がまっさらになるかもしれない。
ということで、3日間の温泉旅行に行ってスマホを絶とうと決めました。

▲ゲームのアイテムボックスみたいになった
今回の企画を行うにあたり、『禁欲ボックス』というグッズを手に入れました。なんでもこれ、指定した時間まで開かなくなるボックスなんだとか。
早速、スマホをに封印し……

▲最大999時間99分まで設定できるらしい。間違えたらたいへんだ
タイマーを72時間に設定します。
それでは、スマホ中毒をデトックスするため、湯治に行ってきます!!
ルール
- 3日間スマホの使用を禁止する(禁欲ボックスに閉じ込める)。
- 3泊4日温泉旅館に泊まる。
- 家族からの緊急連絡は旅館にしてもらう。
- スマホのスクリーンタイムをスマホを絶つ前後で比較する
- 我慢できずスマホの電源を入れてしまったら坊主にして謝る。
1日目

さて、温泉界の大御所、草津温泉に着きました。
硫黄の香りがぷんぷんするわ、じいさんとばあさんがお土産をどれくらい買うかで揉めてるわ、ものすごい盛況ぶりです。チョッキみたいな服を着て闊歩するチワワやトイプードルもいます。
お祭りみたいな賑やかさです。
この雰囲気に浸っているだけで、楽しくなってきます。3日間温泉や街をぶらぶらすればいいだけなので、スマホの入り込む余地はなさそうです。
ただ、1点不安があります。

それは、禁欲ボックスが本当に開くのかということ。タイマーがゼロになったら開くのか試すのを忘れていたので分かりません。
今更の話ですが、時間がきて開かなかったら「どうしよう」と悩んでしまいます。

ボタンをいじってもパワーで開こうとしても、ウンともスンとも言いません。

▲誤が見たことない漢字になっていて心配
説明書には「開かないときはセラーに連絡してください」の文章にメールアドレスが添えられていますが、“hot-mail.com”というホットメールのパチモンみたいなドメインのせいで不安が大きくなります。

▲本当に大丈夫かな……
まあ、気にしても仕方ありません。先は長いので宿に向かうことにします。
よーし、思いっきり、ダラダラするぞ〜!!

さあ、着きました。ここが3日間過ごす部屋です。
バス・トイレ共同の6畳。アメニティやタオルはありません。昔ながらの素泊まり用の旅館です。

▲アメニティはないけど、温泉まんじゅうはある
ここでやることと言えば、ひとつ。

ビールを飲む!!

かっ〜〜〜〜、うまいっっ!!
五臓六腑に染み渡りますわ……! 温泉旅館の部屋で飲むビールは格別感が半端ないです。
数年前に「100円コーラを1000円で売る方法」みたいなマーケティング論が流行ったけど、旅館の雰囲気を利用すればビールも1万円で売れるんじゃないかと思う。

さて、ビール後のお楽しみことカップ麺を堪能します。
夜中やキャンプで食べるカップ麺がおいしいのと同じで、いつもと違うシチュエーションで食べるカップヌードルも極上の一品なんですよね。

お湯を入れて待っている3分がなんとも待ち遠しい。普段はスマホをいじって過ごす3分ですが、今日はじっと待ちます。心なしかいつもより長く感じるし、ワクワク感も増幅している。
空腹は最大のスパイスと言いますが、カップ麺の待ち時間もなかなかスパイシーです。

できました!! シンプルなスープと麺のバランスもいいし、謎肉の塩気もアクセントになっておいしい。やっぱりカップ麺は最高ですね……!

カップ麺を食べ終わって、やることがなくなりました。
このタイミングで無性にスマホをいじりたくなってきましたが、残念なことにあと64時間は見られない。かなり暇です。TwitterやYouTube見てダラダラしたい。
何かやっているときにスマホは気になりませんが、隙間時間が鬼門ですね……。

やることないので、寝ることにしました。
小さいころに両親から「やることなければ寝なさい」と言われて、「なんだ? その理屈は? 寝るのは眠い時だろ」と反発していましたが、正しかったみたいです。やることないと人類は寝るしかなくなります。

よしっ!! 明日から、いろいろ動いていくぞ〜〜〜!! もっと温泉地を楽しんでいこう!!
2日目

さあ、朝になりました。張り切っていこうと窓を開けてみると……

めっちゃ、雨が降ってる。
街へ出かけようと思ったのに出られない。昨晩の「温泉街で遊ぶぞ!!」という意欲がすべて雨で流される結果になりました。
スマホがないので、いつ雨がやむか調べられないし、テレビもタイミング合わないと天気予報が流れない。困ったもんだ。

しょうがないので、旅館の温泉に入ることにしました。源泉かけ流しのお湯がある以上、純粋に温泉を楽しめばいいのです。
硫黄のぷんぷん漂う中に浮かぶ石造り風呂がたまりません。旅情があってテンションあがる。気持ちよさそー!!

「よっしゃーー!!」と思って、お風呂に足首を入れると、「熱っっっ!!」となってすぐ足を引っ込めてしまいました。
そうでした、草津のお湯は熱いんでした。

温度を測ったところ46℃でした。

お湯はちょっとづつ慣らしていけば入れます。温泉成分の溶けたお湯がスーッと身体に染み渡って気持ちよく、温泉から上がった後はほのかな余韻とシャリっとしたさっぱり感を味わえました。

風呂から上がったら、いよいよやることがない。
傘もカッパもないので外に出られないし、「どうしようか」と考えていたところ、本来の目的を思い出しました。

それは、億り人になることです。
すっかり忘れていました。時間はたくさんあるので、今のうちに自己啓発でSDGsでNFTなスキルを身につけ、億り人になろうと思います。

「金持ちはきちんと納税する」
なるほど、僕は買い物するときに消費税を払ってるし、この調子で買い物を続けていけば金持ちになれると……。

「お金持ちにならない人はテクノロジーを敬遠する」

スマホというテクノロジーを遠ざけてるし、まったくダメ。金持ちの習慣と逆の方向へ舵を切ってしまっている。お金持ちは、温泉旅行で3日間スマホを絶つことはしないみたいです。これじゃあ、金持ちになれない……!!

このまま我慢してもお金持ちになれないし、やることもない。くそ〜〜、スマホいじりたい!!

タイマーをみたところ、まだ50時間近くありました。先は長い。

と、本を読んだり、ぶつぶつ言ったりしていたら、夜になりました。

やることがないので、アルコールを摂取します。普段ひとりでは飲まないのですが、つい飲んでしまいます。
コロナになってアルコール摂取量が増えた人の話をよく聞きますが、はじめて気持ちがわかりました。時間がたくさんあると人間は、身近かつ手軽なもので暇を埋めようとするみたいです。

まあ、楽しいし、アルコールのことは気にしなくてもいいでしょう。明日こそスマホを忘れて健康的に遊ぶぞ!!
3日目

朝になりました。今日こそは、温泉街をプラプラして、スマホを完全に忘れる日にしようと思います。
スマホが使えるようになるまで、あと29時間。頭の中からスマホの存在を追い出そう。
さあ、街に出かけるぞ〜〜!!

街に出ると、なにやら魅力的な看板がありました。昼間から飲むお酒はおいしいですよね。背徳感がプラスして夜に飲むよりも楽しくなります。
看板を見ているとつい飲みたくなりますが、健康的に過ごしたいので夜まで我慢します。

ちょっと歩いていると、またお酒を勧める看板が出てきました。
「昼間営業の居酒屋=もう飲める」
ピタゴラスも納得の数式です。居酒屋はお酒を飲んでもらうためにオープンしますからね。
看板を見てると「いっそ飲んじゃえよ」みたいな誘われ方されてるみたいで、飲みたくなってきます。

またまた、出てきました。今度は謎のキャッチフレーズをつけて、お酒を飲ませようとしてきます。
そんなにお酒を飲んでほしいのだろうか? そもそも粋な大人は蕎麦屋でお酒を飲むのでしょうか? むしろ蕎麦単品を楽しむのでは??

ついには、子どもにまで飲ませようとしてくる……!!

………仕方ない。

こうなっちゃいました。
焼肉屋でビールを乾杯です。

おいし〜〜〜!!
冷えたビールに、人生の喜びは詰まっています。昼間からビールを飲めば、幸せな気分になって、精神的に健康になれることに気づきました。健康のためなら、昼からのアルコールもやむなしです。

炭火でジュージューするお肉も最高!!
昼間からビール飲みながら焼肉を食べられるなんて、この1年で一番幸せを感じています。スマホなくても楽しく生きていけそうな気がしてきました。

そんなこんなで、草津の街中をぷらぷらしていたら、すっかり夜。スマホのない寂しさは、楽しさで埋められた気がします。楽しさがあれば、スマホいらないかもしれない。

明日には3日間過ごした旅館とお別れです。ちょっと寂しくなります。
4日目

72時間のスマホ断食もあと少し。あとは旅館を出て、家に帰るだけです。3日前よりはスマホへの執着が薄まった気がします。
3日前は、暇な時にスマホを持ってないことで変な不安感がありましたが、いまはなくなりました。なくても自然な状態になってます。

さらば、草津温泉。

家に帰ってきて、あとは蓋が開くのを待つだけです。3日間カウントは減っていましたが、本当に開くのでしょうか。

……パカッッ!!!!!!




開いたっっ!!!!

やったー!!! 久しぶりのスマホだ!!!!!
ちゃんと取り出せてホッとしました。情報を摂取するの楽しい!!
ただ、3日間でスマホとの心の距離も離れたので、1日の使用時間は減るんじゃないかなと思います。やっててよかった、スマホ断食温泉旅行!!
まとめ
スマホ断食から10日ほど経ちました。
夜中起きたときやトイレに行くときにスマホをいじらなくなりましたし、体感としてはスマホを使う時間が60%くらいにはなったんじゃないかなと思います。

▲スマホ断食前の利用時間
気になるのは、スクリーンタイム。スマホ断食前は平均で10時間32分でしたが、どれくらい減っているのでしょうか。

結果は、9時間14分!!!
あれえええ、ほとんど変わってないじゃん……!! 夜中起きた時とトイレでの使用時間くらいしか減ってないんじゃないか??
常にスマホがないと不安になる状態は解消されましたが、時間自体はあまり減らせませんでした。
それでは、まとめです。

3日間スマホを絶つことで、スマホへの意識は薄まった気がします。スマホがなくてもトイレに行けるようになりました。ただ、生活必需品になっているので、スマホと離れることはできないみたいです。
………まあ、お金持ちになるにはテクノロジーを使う必要があるとのことですし、これからもどんどんスマホを使って億り人になろうと思います。
(執筆:たんぺい)
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