執筆時の一人称に「ボク」を使い始めて早2年。
もともとボクの一人称は「俺」だったのだが、とある思いから執筆時の一人称に「ボク」を使い始めた。
もともとボクは、「俺」だった
ボクの一人称は、長らく「俺」だった。
「俺」歴はかれこれ18年くらい。小学校に上がったときから、一人称は「俺」だった。
その前の一人称は「かーくん」だった。
両親がボクのことを「かーくん」と呼んでいたので、そのまま自分の一人称が「かーくん」になった。”幼少期あるある” だろう。
ちなみにボクの本名は「かづよし」である。
しかし小学校に上がる頃には、一人称をそのまま「かーくん」とするのは恥ずかしい、ということに気付き始めた。
気がつけば、周りの男子はみんな「俺」だ。
一部の男子は「僕」という一人称を使っていたが、圧倒多数は「俺」。
少し前まで「まーくん」とか「けいちゃん」とか自称してたやつらも、みーんなまとめて「俺」。
こ、これが小学校……大人の世界か。
「俺」はちょっとイカつい、カッコいいイメージ。
「僕」は純朴で、真面目なイメージ。
”カッコいい” こそが至上の小学生男子にとって、一人称に「俺」を選ぶのは必然であった。
───そして18年の月日が経った。
25歳の「俺」、転機が訪れる。
「俺」、没個性では?
25歳のとき、ボクはWebライターとしてのキャリアを歩み始めていた。
Webライターの話は以前の記事を見てもらえれば嬉しいが、じつはこのとき一人称を「俺」から「ボク」に変えている。
というのも、「俺」では埋もれる気がしたからだ。
先述したとおり、多くの男子は小学生のときに一人称を「俺」に定めてくる。
そしてその一人称を、長きにわたり背負い続けることになる。
ボクがそうだったように。
そう、小学生のときに名乗った一人称「俺」が、大人になっても続いている人はわりと多いのだ。
「俺」、世の中に多すぎる。
そんな状況下で「俺」を名乗っていては、Webライターとして文章を発信していく「俺」が埋もれてしまう。
いま思えば、そんなしょーもないこと……となるのだが、当時の「俺」は本気で悩んでいた。
一人称を、「俺」から変えよう。
少なくとも、執筆時だけは。
「ボク」、男でいなくね?
では、一人称を何にするか。
ある著名なライターさんが、「一人称に ”僕” を使うと、誠実なイメージが出るからおすすめだよ」と仰っていた。
なるほど、「僕」っていいな。
それだけで誠実になれるなら超おトクじゃん。
(この考えがそもそも誠実じゃないのだが)
いやしかし……「僕」もふつうだな。
「俺」に次いで、よくある一人称の筆頭格。
「俺」「僕」「私」あたりはよく使われるTOP3だろう。
だからといって「拙者」「吾輩」「朕」を使うのはさすがにへんだ。
決して悪目立ちしたいわけではない。
……そうだ、「ボク」はどうだ?
「ボク」は ”ボクっ娘(ぼくっこ)” など、女子が「ぼく」を名乗る際に使われがちな表記だ。
ボクっ娘、いいよね。
ボーイッシュな女の子が「ボク」って名乗るの、いいよね。
ふだんは勝気なんだけど、時折ふと見せる女の子らしい仕草が最高。
すまん話が逸れた。
そう、男子が「ボク」を使っている例は少ないのだ。
あ、これいいんじゃないか?
そうだ、「ボク」でいこう。
無難ながらも、カタカナにすることで急に個性が出たぞ!
「ボク」が現実に侵食し始める
そうして執筆時に「ボク」を使い始めた、ボク。
しかし執筆時だけ「ボク」なのも変だなと思い、ためしに現実世界でも「ボク」を使い始めてみた。
最初はよく間違えて「俺」と発言していた。
いかんいかん、18年の歴史に引っ張られている。
小学生男子の「俺」とはもう決別したんだ。
ボクはもう、マジの大人なんだ。
───「ボク」を使い始めて1年目。
この頃には「ボク」がふつうになった。
家族や、昔からの友人の前ではまだ「俺」と言っていたが、新しく知り合った人たちには「ボク」と呼称するのが当然になっていた。
───そして「ボク」歴2年のいま。
もはや「俺」って言うほうが、違和感を感じるようになった。
「俺」は、変えられる
結論をいうと、一人称を変えたところで個性なんて出ない。
当たり前だ。
そんなところで個性を出そうとせず、ライターなら文章力やコンテンツ力を鍛えたほうがいい。
ただひとつ言えるのは、十数年つちかった性質も、信念を持って取り組めば一、二年で変えられるということだ。
まして一人称を変えるのは、簡単なことじゃない。自分の中で違和感とせめぎ合いつつ、徐々に徐々にすこ〜しずつ変えていくものだ。
でも、変えられる。確かに変えられるのだ。
もし自分の性格や性質でイヤな部分があるなら、本気で向かい合って、「明日から変えるぞ!」と決心してみるのもいいかもしれない。
時間はかかるが、きっと変えられるから。
一人称を「ボク」にするのはおすすめしないが。
(執筆:じきるう)
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