2023年3月27日に発表された『マンガ大賞2023』にて、自分が長く推し続けている漫画家・とよ田みのる先生が大賞受賞されました!! 超めでたい!!!
とよ田先生 #マンガ大賞2023 大賞受賞おめでとうございます!!!😭😭😭
高校生の頃からとよ田先生作品のファンで商業漫画はおそらく全巻買ってて、でもなかなか踏ん切りがつかなくてコミティアにも行っておらずファンのくせにうおおおってなってたけど次回こそいこう…! #これ描いて死ね @poo1007 https://t.co/w3kzuXfdFv— じきるう 編集者 (@zikilluu) March 27, 2023
もう自分は先生の描く漫画が全作品大好きすぎて情緒が狂ってまとまりのないツイートを思わずしてしまいました。
情緒が狂ってるうちに愛をぶちまけたいので、とりあえずとよ田先生の商業マンガ全作品を紹介させてください。なるべく簡潔になるようまとめるんで!!
(※狂い書きなので何か間違ってるところあったらすいません)
目次
ラブロマ 全5巻(2003-2005)
原点にして頂点。王道青春ラブコメストーリー。
とよ田先生の商業マンガとしては最初の作品。そして自分の一番好きなマンガです。
そんな直球すぎるタイトルある〜〜〜?って感じですが、全部読んだ後は「これこそ真のラブロマンスだ……」となります。保証します。
クソ真面目でド正直者の主人公・星野と、ツッコミ役のヒロイン・根岸のラブコメなのですが、ド真ん中ストレートのド直球なラブコメ。
恋の駆け引きからちょっとエッチな話まで、ひねったものは一切ナシ! 変化球を一切投げない!
でもそれでいいんです。設定の凝った作品や伏線バリバリな作品も好きですが、これは何も考えずに心をあたためられる作品。人生に疲れたときに読むと、30%くらいはMPが回復します。
正直にいうと、最初はこのマンガの「絵」が受け付けませんでした。線が太く直線的というか、あまり他で見ないタイプの独特なタッチなんですよね。
でも大丈夫です。読んでるうちに「この絵じゃないとダメ」になってきます。
なおタッチそのものは最新作の『これ描いて死ね』まで受け継がれていますが、絵はバチクソ上手くなっています。
FLIP-FLAP 全1巻(2007-2008)
とよ田先生をサクッと知るなら、まずはここから読め。
1巻で完結の、ピンボールを題材にしたマンガ。
ちなみにとよ田先生作品は長くても7巻くらいで完結しているので、初心者でもめちゃめちゃ入りやすい! 最高!
(いちおう補足しておくと、『FLIP-FLAP』は打ち切りとかではなく元から短期連載だそうです)
ピンボールってそもそも何?という人も多いかもしれませんが、ちゃんとわかりやすく解説してくれているのでその辺も大丈夫。というか知らない世界というのを前提に、丁寧にアツく語られています。
自分はこれを読んだあとにピンボールのある高田馬場のゲーセンに駆け込みました。(そしてボロ負けしました)
『ラブロマ』がド王道の直球ラブコメなら、『FLIP-FLAP』はちょっとだけ変化球のラブコメ。そう、ラブもあるんです。
物語はピンボールに夢中なヒロイン・山田に、ゲームをしない平凡な主人公・深町が恋をするところから始まります。
そこから深町が山田目的にピンボールの世界にずぶずぶ浸かり……。
いや、結局ラブコメというよりは、ピンボール愛メインですけどね!
なお変化球と書きましたが、ストーリー自体はわかりやすく、とよ田節も十分に効いています。
とよ田先生のエキスをサクッと味わうならこれがおすすめ。
▼読み切り版はとよ田先生のTwitterで読めます▼
FLIP-FLAP読み切り版(1/10)
昼にアップしたやつが上手くツリー表示できなかったので再アップします。 pic.twitter.com/znmW8QGFWk— とよ田みのる (@poo1007) December 18, 2018
こちらの作品はKindle Unlimitedなら全話0円で読めます!
友達100人できるかな 全5巻(2009-2011)
とよ田先生、本領発揮。本気で泣かせにくるジュブナイル作品。
とよ田先生のスタイルが確立したのはこのころじゃないかな?と勝手に思っています。
題材、ストーリー構成、設定、伏線などなど、細かいところがしっかり「とよ田作品」。
いや、これまでがそうじゃない、というわけではないのですが、最新作までつながる系譜がこのころから見られる気がしています。
ストーリーはタイトル通りで、「友達を100人作れ! できなければ人類滅亡!」という感じの王道×パニックのはちゃめちゃSF。
舞台は1980年台の東京下町で、郷愁を思わせるなつかしいものがたくさん出てきます。ガキ大将、駄菓子屋、委員長、悪ガキ、クラスの女子……30〜50代にはめちゃめちゃ刺さる要素満載です。
最終巻にクラスの女子のリーダー・山本と友達になる回があるのですが、ここで泣かないやついないだろってくらい神回。
それまではかなり嫌なキャラなのですが、もうそんなのどうでもよくなるくらいのLOVE……。
郷愁に塗れてボロ泣きしたいおっさんは全員読め。
こちらの作品はKindle Unlimitedなら全巻0円で読めます!
タケヲちゃん物怪録 全7巻(2011-2014)
不幸女子をとにかく幸せにしたいやつ大集合!!
江戸時代の物語『稲生物怪録』を下敷きにしたマンガ。
主人公の少女・稲生は不幸体質の持ち主で、親元を離れてひとり寂しく暮らしています。
そこに超幸運の持ち主であり妖怪・座敷童子の山本六郎左衛門がやってきて、不幸少女をただただひたすら幸せにしていくハートフル妖怪ストーリーです。
とはいえ、この頃からとよ田先生の闇の部分も少しずつ見え隠れします。
そしてそれが幸せのためのいいスパイス(時に激辛)になり、最終回に向けてカタルシスを覚えるのです。
なおとよ田先生はこの漫画を書くためにありとあらゆる妖怪グッズを集めたそうですが、その様子がただただ妖怪を楽しんでる趣味人でめちゃめちゃ微笑ましいのです。
連載が終わったあとも妖怪グッズは集めている模様。
妖怪置き場に置いておこう。 pic.twitter.com/amOYZFSaVs
— とよ田みのる (@poo1007) March 20, 2018
最近の赤さん 全2巻(2015-)
実録エッセイ娘溺愛全員幸せになれマンガ。
Twitter上で連載されていた、とよ田先生の実娘の様子を描いた作品。(その後、ヒバナより商業化)
子育てマンガっていろいろなスタイルがあると思うのですが、とよ田先生のそれはただただひたすらかわいい!! 泣き喚くところもよだれダラダラなところも愛せちゃう!!
もうここまでお読みいただいたならわかるかもしれませんが……
とよ田先生作品は<<<しあわせ>>>になるもの中心で詰め込まれています。
目の前のかわいさだけを愛でろ!!!!
こちらの作品はKindle Unlimitedなら全巻0円で読めます!
金剛寺さんは面倒臭い 全7巻(2017-2020)
マンガのお約束をぶち壊した、超変化球のド王道。
いやもう、こう表現するしかないんですよ、このマンガ。
ストーリーは『ラブロマ』の系譜を受け継ぐ超王道ラブコメなのですが、それ以外がエグい角度の変化球しかないんです。いわばマンガ界のフルタイムナックルボーラー。
本筋と関係ないストーリーが勝手にどんどん進むし、ほぼ全話伏線しかないし、なぜか主人公が鬼だし、第3話で最終回のネタバレするし、未だかつて見たことないエグいコマ割りするし、実質5巻で完結なのに読者投稿ストーリー案で6巻そしてアフターストーリーで7巻出すし、えええええええええ!?!?!?!? は!?!?!?!!?
マンガという概念をぶち壊されたければこれを読んでください。
マンガ好きほどハマるはず。
▼第1話はとよ田先生のTwitterで読めます▼
地獄とつながった世界で堅物の女の子が鬼の子と〝何か〟を芽生えさせる話。#漫画が読めるハッシュタグ#金剛寺さんは面倒臭い (1/11) pic.twitter.com/5ZUw6a8PfH
— とよ田みのる (@poo1007) December 30, 2022
これ描いて死ね 既刊4巻(2021-)
マンガ大好き少女たちに投影された、とよ田先生の人生史。
『マンガ大賞2023』を大賞受賞した、こちらの作品。
舞台は先生の故郷でもある伊豆大島で、高校の漫研を舞台にした「漫画」のマンガです。
このマンガ単体で読んでももちろんはちゃめちゃに面白いのですが(じゃなければマンガ大賞とってない)、『これ描いて死ね』はとよ田作品の集大成であり、とよ田先生自身の人生史だと思っています。
とよ田先生の作品には、過去作品のキャラがよく登場することが知られているのですが、この作品の準主役であり、主人公の担任教師・手島は、おそらく『ラブロマ』主人公の星野の姉です。(※明言されておらず、苗字が違うなどの矛盾点もあります)
そして作中では手島の過去も深掘りされているのですが、その様子がとよ田先生の実体験を元にしているのでは?と思われる内容なのです。
具体的に語るとネタバレになってしまうのでサラッと流しますが、とよ田先生は2000年に『レオニズ』でアフタヌーン四季賞 夏のコンテストに佳作入選するものの、そこからしばらく連載につながらず四苦八苦したと過去ブログで読んだ記憶があります(探したけど昔過ぎて見つからなかった)。しかも、劇中で登場するマンガの内容も、先生の過去のボツ作品によく似て……。
繰り返しになりますが、『これ描いて死ね』はこれだけでも問題なく楽しめますし、過去作品を無理に読む必要もありません。それだけ単体での完成度が高く、そしてアツく魅力的な青春活劇です。
でも、もし他の作品も気になったなら、ぜひ遡って読んでみてください!! 全ての作品が!! とよ田先生が!! つながっています!!!
▼第1話はとよ田先生のTwitterで読めます▼
離島に住む漫画好きの女の子が推し作家に会いに東京に行く話
ゲッサン連載中『これ描いて死ね』第1話#これ描いて死ね#漫画が読めるハッシュタグ (1/11) pic.twitter.com/OTKFkHA2bc
— とよ田みのる (@poo1007) May 12, 2022
とよ田みのる短編集 全2巻
とよ田作品にハマったら買え。
最後に、とよ田先生は短編集も出されています。
やや実験的な作品や、商業ボツ作品も含まれているため、全員におすすめできるとは言い切れないですが、自分はファンなので発売日即購入でした。超満足。
すべて1話完結でサクッと読めるので、そういう意味では最初に買うのもアリかもしれません!
▼短編集表題作『CATCH&THROW』はとよ田先生のTwitterで読めます▼
フリスビーでボーイミーツガールする話 1/12#かつて商業雑誌に載った漫画です#広告が目的です#燃えてるので便乗しました pic.twitter.com/WT12z9AlBE
— とよ田みのる (@poo1007) February 11, 2019
……ふぅ。ここまで休憩なしノンストップで書いたのでさすがに疲れました。愛があれば疲れなんてなんのその。
とよ田先生作品どれも大好きなのに、とよ田先生がよく参加されているコミティアにはまだ一回も行ったことないので、これを機に参加しようかなあ。生・とよ田先生に会ってみたい!!
なにか気になった作品があったらぜひ読んでみてください!!
読んだら一緒に語り合いましょう!! DM開放して待ってるよ!!!
コミティア行ってくるぜ。 pic.twitter.com/W6eP9Ppf8k
— とよ田みのる (@poo1007) November 20, 2021
(執筆:じきるう)
※追記 2023/03/30
ほかにも商業漫画として『オバケのサリー(2014-2015)』がありましたが、連載が学習雑誌『小学一年生』内かつ、商業単行本が出ていないので完全に失念していました……。とよ田先生が同人誌としてまとめているそうなので、チャンスがあったら手に入れたいです。