先日、自動ドアのスイッチを買った。
そしたら、思ったよりも人生が豊かになったのでご紹介したい。
Switchがある生活(自動ドアの)
きっかけは、ご飯屋さんで「自動ドアのトイレ」を見かけたことだった。なんだこれは。こんなの初めて見たぞ。
ふだんお店の入り口でしか見かけないスイッチが、トイレについている。それだけでなんだか、リッチな雰囲気を醸し出しているではないか。
ふつうは自動じゃないところが自動だと、感動を覚える。
ボクも自宅のトイレの扉に、スイッチを貼り付けたい。ぜいたくな生活を送りたい。
というわけで、買った。しれっと書いているが、じつは購入までに半年かかっている。
購入までに時間がかかったのは、その価格が理由だ。7,150円した。ラーメンならゆうに7,8杯は食べられる金額だ。半年のあいだに2kg太ってしまったので、購入に踏み切った。
「トイレを自動ドアにしたい」と願ってから、半年と3日かけて我が家に到着した自動ドアのスイッチ。
ぜひアップで見てほしい。この色、ツヤ、形。すべてが無骨で機械的。
日本の技術力がこのスイッチに込められているといっても過言ではない。
と、思ったら中はこんな感じになっていた。意外とシンプルなつくりである。
ふだん見ることのない自動ドアスイッチの内側。見てはいけないものを見てしまったようで、なんだかドキドキする。
この赤いボタンの部分が押されることで通電し、ドアが開く仕組みになっているようだ。逆にいうと、赤いボタン以外の部分は反応しにくい。
なお、微妙に下のボタンのほうがしっかりとした押し心地がある。下のほうが反応は良さそうだ。
つまりこのタイプの自動ドアスイッチは、「押して下さい」の「て」のあたりを押すのがベストだ。
次点として「動」の部分も反応が良さげである。
なお自動ドアスイッチ初心者は「PUSH」の部分を押してしまいがちだが、じつは「PUSH」の位置はあまり反応がよくない。
実際にスイッチを買った者だからこそ分かった知見である。はい、ここテストに出ますよ。
自動ドアスイッチを色々なところに設置しよう
さあ、眺める時間は終わりだ!!
さっそくドアに貼ってみよう!!
まずは当初の目的。自宅のトイレに扉に、スイッチを設置してみよう。
するとどうだろう。ドアを開けるための機構が「ドアノブ」と「スイッチ」の2つになってしまった。リッチでかっこよくなると思ったのに、なぜだかばかっぽくなってしまったぞ。
もちろん、自動ドアスイッチを扉に貼り付けただけでは、扉は開かない。そもそもこのスイッチは引き戸専用である。
しかし、これでいいのだ。
「自動ドアのトイレ」がぜいたくなのではなく、「自動ドアスイッチのついたトイレ」こそがぜいたくなのだ。
この調子で、ほかのドアもどんどん自動っぽくしてやろうではないか!
つづいて玄関の扉を自動っぽくしてみた。
我が家をおとずれた人は、まず間違いなくこのスイッチを押すだろう。
もちろん、押してもなにも起こらない。完全なるインテリア(7,150円)である。
ところでこのスイッチには、「ドア専用」なんて文字はどこにも書いてない。つまり、ドア以外にも貼っていいということではないだろうか。
というわけで、家庭用リモコン群のなかにスイッチをまぎれ込ませてみた。
「色が銀ベースだし、あんまり合わないかな?」と思ったが、予想外に馴染んでしまったので困惑している。
なにが自動なのかはよくわからないが、このスイッチの新たな可能性を感じることができた。
PCにスイッチを貼ってみた。
色合いがマッチしていて美しい、パーフェクト。でっぱりがやや気になるが、そこまで違和感はない。
このスイッチを押すことで、自動でPCが起動するに違いないぞ!(そんなわけはない)
このスイッチは、想像以上に我が家に調和してしまうことが分かった。なるほど、おまえに家のなかは狭すぎた。
そもそもこのスイッチを見かけるのは、もっぱら外出先ではないか。
そうだ! 自動ドアスイッチをもって、外に出かけよう!!
居酒屋のテーブルにスイッチを置いたところ、とたんに「注文ボタン」っぽい雰囲気が出てきた。
これを押せば、店員さんが注文を取りにきてくれるに違いない(来なかった)。
エスカレーターを自動にしてみた。元から自動だった。
交差点の押しボタンのとなりに設置してみた。
決して交わることのなかった二人の、夢のコラボレーションである。酔っ払っていたらスイッチのほうを押しちゃうかもしれない。
その辺のおしゃれな街路灯に取り付けてみたところ、何が起こるかわからないワクワク感が生まれた。
これ、押したらきっと変形するんだろうな。
ブロック塀に貼り付けてみたら、地下ダンジョンにつながる階段があらわれそうな雰囲気が出た。押してみよう、ポチッとな。
どうやら、本来あるはずのない場所にスイッチがあると、SF(すこし不思議)な物語が生まれるようだ。日本スイッチ学会に論文を提出しよう。
人感センサーの自動ドアに、自動ドアスイッチを設置してみた。
元から人感センサーで開くのに、わざわざ自動ドアスイッチを設置するのはどういうことなのだろうか。
自動ドアスイッチを押そうと思ったら人感センサーで扉が開いてしまい、「おっとっと……」となる未来が見える。でもそんな日があってもいい。
同じ型のスイッチのとなりに、追加で設置してみた。自動ドアのスイッチマシマシだ。
ただただ、ややこしくなった。
余談だが、このお店は「自」と「さ」の部分に赤いシールを貼っている。自動ドアスイッチの反応しやすい場所を、よく分かってらっしゃる……。
自動ドアスイッチのレプリカをつくろう
自動ドアのスイッチをたっぷり堪能したところで、ひとつの疑問が浮かんだ。
「これ、レプリカでいいんじゃないか?」
元も子もない話だが、そもそもこの記事では自動ドアスイッチを本来の使い方で用いていない。あくまでインテリア的なものだ。
それなら、レプリカでいいだろう。よし、つくろう。
なんとなく、「安物買いの銭失い」という言葉が脳裏に浮かんだ。
自動ドアスイッチは、素直にAmazonで買おう。
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