突然だが、皆さんは『ゾンビランドサガ』というアニメをご存知だろうか?
これ。今期覇権アニメ(大穴)の一角だ。
いろいろネタバレになるので詳細はバッサリと省くが、端的にいうと女の子がわーわーするアニメだ。素晴らしいね。100億万点!
で、こちらのアニメ、何が最高かっていうとね。女の子がヘドバン(ヘッドバンキング)するシーンがあるんだけど。
美少女キャラがヘドバンするの、最高では??
もうね、それだけ。美少女アニメキャラがハードコアな音楽に合わせて激しくヘドバン。男らしい動作の中に垣間見られる女性性とエロス。これを見ながら金麦(500ml缶)を摂取するのが至福の時なんだよね、ええ。
そこでボクは思った。
ボクも美少女キャラになってヘドバンしたい!!
幸い、最近はスマホで誰でも簡単に使える『Vtuberアプリ』がたくさんある。
Vtuberアプリ(Vライバーアプリ):
3D/2DキャラクターになってVtuber(バーチャルYouTuber、Vライバー)活動ができるアプリ。『カスタムキャスト』『REALITY』『IRIAM』など、2018年10月に入ってから大手各社が示し合わせたように関連アプリを続々とリリースしている。お前らどこに潜んでたんだよ!おい〜!
このVtuberアプリを使えば、ボクも美少女キャラになってヘドバンできるのだ。
というわけで、さっそくVtuberアプリを使ってヘドバンしていこう。ついでに、どのVtuberアプリが一番ヘドバンに向いてるか調べよう。
※ 今回は2018年10月現在、iPhoneXで使えるVtuberアプリを可能な限りすべて調べました。
1. カスタムキャスト
まずは2018年10月にドワンゴからリリースされたVtuberアプリ『カスタムキャスト』。リリースからわずか半月で100万DL突破したバケモノアプリだ。キャラクターのカスタマイズ性・ポージングの自由度が異常なほどに高く、完成度の高さを感じさせる。
結論からいうと、カスタムキャストはそんなにヘドバンに向いていなかった。小さな動作の時はなめらかな動きを実現するが、激しい動きになったとたんにめっちゃカクつく。100万DLといえども、その程度の実力か……!
ちなみにこのキャラクターはボクが2時間くらいかけてイチから作ったものだ。コスチュームはもちろん、目や髪型、顔の輪郭、眉の形、細かな体型までめちゃめちゃこだわって作った。自作キャラクターってなんだか性癖がバレるようで少し恥ずかしさもあるのだが、ボクはこういう女の子が好きのでご査収願いたい。あたまに天使の輪っかがついている系女子がいたらぜひご一報を。
- ヘドバンっぽさ:☆☆★★★
- 動きの滑らかさ:☆☆☆★★
- 性癖がバレる度:☆☆☆☆☆
2. REALITY Avatar
グリーの関連会社から2018年10月にリリースされたVtuberアプリ『REALITY Avatar』。ぬるぬるとした3Dキャラクターが特徴だ。カスタマイズ性もそこそこ高い。
挙動は先述したカスタムキャストとほぼ同じであるものの、REALITY Avatarのほうがわずかに動きが滑らかか……? 映像のカクつきも比較的少なめである。
たびたびカスタムキャストとREALITY Avatarは比較されているが、カスタムキャストはその名のとおり「カスタマイズ性」に、REALITY Avatarは「モーションの滑らかさ」に重点が置かれている気がする。ハーゲンダッツとゴディバアイスくらいにはちゃんと差別化されているぞ。……ごめんこの例えはボクが悪かった。
- ヘドバンっぽさ:☆☆☆★★
- 動きの滑らかさ:☆☆☆☆★
- ゴディバアイス:☆☆☆★★
3. ホロライブ
続いては2018年4月リリースの、スマホVtuberアプリとしては最古参勢の『ホロライブ』。キャラクターは4種類から選べる。
身体動作の自由度はほぼないものの、首が滑らかにぐねんぐねんしてとても楽しい。くわえて小刻みで細かい動きにもわりと対応できる。首の可動域に自身のある人はぜひホロライブでヘドバンに挑戦してみよう。
ただし、激しい動作をすると表情はほぼ読み取ってくれない。まあこれはどのアプリもほとんどの場合でそうだったのだが。激しい動きにも耐えうるアプリの登場を待ちたい。
- ヘドバンっぽさ:☆☆★★★
- 動きの滑らかさ:☆☆☆☆★
- 首の骨の耐久度:☆☆☆☆☆
なおこのアプリのみ、スマホを前後に倒すことで擬似ヘドバンが可能だった。これをヘドバンというかどうかは怪しいところではあるが、Vtuberなので画面の向こう側の視聴者には伝わらないから大丈夫だ。これを「バーチャルヘドバン」と名付けよう。
4. パペ文字
こちらも2018年4月リリースの古参Vtuberアプリ『パペ文字』。2D/3Dさまざまなキャラクターが用意されているほか、自分で画像を取り込むことで完全オリジナルキャラクターが作れる機能がある。
ヘドバンに関して、パペ文字はなかなか優れたVtuberアプリといえるだろう。
ひとつめは、激しく動いても表情をしっかり読み取ってくれることだ。今回検証に使ったほとんどのアプリは表情をうまく読み取ってくれなかったが、パペ文字は目や口、眉毛の形までしっかり読み取ってくれた。これは評価が高いぞ!
もうひとつすごいのが、手の自由度。アプリ上の「手のマーク」をタッチ&スライドすることで、画面上のキャラクターの手をガンガン動かすことができる。今回のように激しく拳を叩きつけることだって可能だ。破壊的なエモーションをワールドワイドに配信し、世界をバーチャルで蹂躙しよう。自分でも何を言っているかよくわからない。
ちなみに中の人が若干はみ出していることについては言及しないでほしい。
- ヘドバンっぽさ:☆☆☆★★
- 動きの滑らかさ:☆☆☆☆★
- 身体のはみ出度:☆☆☆★★
5. Showar
お次は2018年5月リリースのVtuberアプリ『Showar』。2種類のキャラクターがラインナップされている。
Vtuberアプリではよくあることだが、身体がガッチガチである。首から下の動作に対応したVtuberアプリはまだあまりないので、アプリ開発者の方はぜひ頑張っていただきたい。ヘドバンVtuber勢にきっと需要があるので。どこにそんな勢がいるかは知らないけど。
また、Showarのキャラクターは全体的に陰影がやや強めにはいっている。ゆえにダークな印象を受けるため、結果的にヘドバンに向いているともいえるかもしれない。
なおパペ文字と同様、中の人がはみ出ていることに関して言及するのは控えていただきたい。中の人が男性であることは決してバレてはいけないのだ、炎上しちゃうから。
- ヘドバンっぽさ:☆☆★★★
- 動きの滑らかさ:☆☆★★★
- 身体のはみ出度:☆☆☆☆★
6. VChara
続いては2018年8月リリースの『VChara』。3種類の版権キャラクターが選べる。
こちらはもう見てのとおりなのだが、全くヘドバンできていない。直立不動で浮遊しながらめっちゃ迫ってくる。
左右の動きはまあまあ読み取ってくれたのだが、前後の動きは大変おかしなことになっている。控えめに首だけ前後する分にはちゃんと反応したので、控えめなヘドバンをする方にはおすすめだ。控えめなヘドバンって何だろう?
- ヘドバンっぽさ:☆★★★★
- 動きの滑らかさ:☆☆☆★★
- 驚異的な浮遊感:☆☆☆☆☆
7. トピア
こちらは2018年10月に正式リリースされた『トピア』。多種多様なコスチュームが用意されており、カスタマイズ性の高いアプリだ。
トピアは正直、ヘドバンには向いていないだろう。身体が意図したとおりに動かないというのもあるが、それ以上に問題なのが激しい動作をすると頭が胴体にめり込むことだ。リアルではヘドバンにより首を痛めることがよくあるが、トピアでは首痛とかの問題を通り越して身体構造に異常が生じるぞ。
ただ、髪揺れや表情はしっかり読み取ってくれる。今後のヘドバン対応に期待したい。
- ヘドバンっぽさ:☆★★★★
- 動きの滑らかさ:☆☆★★★
- 首のめり込み度:☆☆☆★★
8. EVKI
最後に試してみるのは、2018年9月にリリースされた『EVKI』。さまざまなスタイルのキャラクターが21種類も用意されている。
ご覧のとおり、EVKIは動かない。かろうじて表情だけは画面フリックで変化させられるのだが、身体動作は全く読み取ってくれない。というより、たぶんスマホのカメラで動作を読み取るという仕組みそのものがない。
これはもう、最初からそういう仕様なのでどうしようもない。マントヒヒに馬車をひかせるようなものだ。マントヒヒに馬車を牽引する力はない。ぜんぜん関係ないけど、マントヒヒって動物名はわりと知られているのに実物を見たことある人ってほとんどいないよね? そもそもどういう動物だったかいまいち想像できない。「もしかすると架空の生物なのかも」と思ってググったら普通に毛深めなサルが出てきた。よかった、ちゃんと実在した。
マントヒヒのような存在、それがEVKI。
- ヘドバンっぽさ:☆★★★★
- 動きの滑らかさ:☆☆★★★
- マントヒヒぽさ:☆☆☆☆☆
結論
いかがだっただろうか。
結論としては、いまのところ激しい動きにしっかり耐えうるVtuberアプリがないため、どれもヘドバンには向いていないというのが正直な感想ではあるが……。
動きの滑らかさでいうなら『REALITY Avatar』に軍配が上がるであろうか。手の自由度や表情の読み取り精度なら『パペ文字』かな。個人的には、ヘドバンをする際にはパペ文字を推したい。拳を振り上げるのが楽しかったから。
なお最後になるが、今回の検証における撮影風景はおおむねこんな様相であった。翌朝、頚椎に鈍い痛みを感じたのは言うまでもない。
ヘドバンのやりすぎには、みなさんくれぐれもお気をつけて。
(おわり)