ラーメン屋に入り「大盛り無料ですがどうしますか?」と聞かれ、反射で「お願いします」と言ってしまうのが人間です。多くの大衆向け飲食店に、大盛りはつきもの。いくらダイエットをしていようが、その言葉を聞いたらもう逃れられないのです。あ、煮卵もつけてください。
しかし、飲食店で大盛りなのは、なにも「食べ物」だけではないのです。今回はテーブルの上に設置された、食事をささえる「おともの大盛り」に着目してみましょう。
割り箸大盛り

▲『せい家』人形町店の割り箸
まずはお供の大盛り界のレギュラー、ラーメン屋の割り箸です。チョモランマの山々のようにそびえたつ割り箸タワーは、ラーメン屋の景気を表しているといっても過言ではありません。
繁華街のリーズナブルなラーメン屋でよく見かけるスタイルです。

▲ラーメン1杯500円。家系ラーメン界でロープライスを守り続ける、庶民の味方
勝手な感想ですが、割り箸大盛りのラーメン屋は、ラーメンそのものは普通盛りなことが多いように思われます。
ただし、味は格別。安いなりの「雑うまさ」が、疲れた現代人の胃袋に染みわたります。割り箸が大盛りの店は、庶民にとって外れない良店なのです。
七味パック大盛り

▲プレミアムおろしポン酢牛めし(480円)
お次も定番、牛丼チェーンの『松屋』です。
今回の主役は、牛丼ではありません。七味唐辛子のほうです。

▲指2〜3本分くらいの幅の小さな箱に、16パックも詰め込まれている
みっちみち。
じつはコロナ禍になり、『松屋』は七味唐辛子の提供方法を、箱型容器から小包装のパックに切り替えました。その結果がこちら。人々がソーシャルディスタンスをとる一方で、七味唐辛子たちは密です。小包装なので、衛生的にはグッド。
いっぱい入ってると景気よく見えますね。
おしぼり大盛り

▲からあげ+ハラミ定食……だったかな。たしか850円くらい。前2つに比べたらかなりの貴族メシ
お次はこちら。牛肉がおいしい居酒屋のランチです。
ご覧の通り、おしぼりが大盛りです。六つ腕の阿修羅が来店してもどうにかなりそうですね。(千手観音はやや厳しい)

▲2021年1月(左上)、4月(右上)、7月(左下)、8月(右下)
最近はおしぼりの数が控えめになってきているので少々さみしいです。長引くコロナ禍でお客さんが減り、備蓄するおしぼりの数も減らしてきているのでしょうか。
コロナが落ち着いて景気が回復し、いつかおしぼり2桁になったら嬉しいですね。使わない分はそのままお返しします。
大盛りは景気がいい
モノがたくさんあるとつい嬉しくなってしまうのです。ブリキ缶いっぱいに詰められたクッキーから札束風呂まで、そこには大きな夢と憧れが詰まっています。
最近は大量消費社会が目の敵にされてますが、たくさんモノがあるって、やっぱ景気いいですよね。できることなら自宅にも大量の七味パックを揃えたいし5兆円もほしいです。

▲もちろん、本体の大盛りも嬉しい
(執筆:じきるう)